2018年12月20日 今後の具体的な取組方策示す 「水道財政のあり方に関する研究会」が報告書

総務省は、水道事業の持続的な経営を確保できるよう、各団体での経営努力を推進する方策や、それを前提とした対応等を検討するため、今年1月から「水道財政のあり方に関する研究会(座長:石井晴夫東洋大学経営学部教授)を開催してきたところで、6日に報告書を取りまとめた。報告書では、持続的な経営を確保するための基本的な考え方として、中長期の経営見通しに基づく経営基盤の強化を推進することを掲げた上で、適切なアセットマネジメントに基づく更新、料金収入の確保、広域化、民間活用、ICTの利活用等の推進が重要としている。また、今後の具体的な取組方策として、「広域化推進プラン」による広域化の推進、適切なアセットマネジメントに基づく着実な更新投資の促進をあげている。

水道事業の現状と課題について、水道は住民生活に必要不可欠なライフラインとした。その上で、急速な人口減少による有収水量(料金徴収の対象となった水量や他会計等から収入のあった水量)の大幅な減少、老朽化対策と災害対策に伴う更新需要の増大により、経営環境が急速に悪化することが想定されると指摘している。さらに、専門人材の確保等の組織体制の強化も課題にあげている。

その上で、こうした水道事業の現状と課題を踏まえ、持続的な経営を確保するための基本的な考え方として、中長期の経営見通しに基づく経営基盤の強化を推進することを掲げた。また、具体的な取組を推進するに当たっては、適切なアセットマネジメントに基づく更新、料金収入の確保、広域化、民間活用、ICTの利活用等の推進が重要としている。

このうち、適切なアセットマネジメントに基づく更新では、中長期の視点に立った需要と供給体制の見通しを踏まえた上で、適切なアセットマネジメントによるトータルコストの縮減や更新需要の平準化を図り、着実な更新を行うこととしている。

料金収入の確保では、人口減少に伴う料金収入の大幅な減少が懸念される中、更新需要の増大も踏まえ、計画的な料金水準の見直しを行うよう求めた。

広域化、民間活用、ICTの利活用等の推進では、中長期の収支均衡、収支改善を図るため、広域化、民間活用、ICTの利活用等に取り組むこととした。

今後の具体的な取組方策のうち、「広域化推進プラン」による広域化の推進では、市町村の区域を超える広域化は、幅広い効果を期待できるため、多様な取組を推進する必要があるとした。また、都道府県を中心とした計画的な取組が重要であることから、都道府県による「広域化推進プラン」の策定を進めるべきで、国においても、策定を促していく必要があるとしている。さらに、国においても、広域化に係る財政措置の拡充を検討すべきとの考えを示した。

適切なアセットマネジメントに基づく着実な更新投資の促進では、住民生活に必要不可欠なライフラインであり、大規模な資産を有する水道事業では、中長期的な視点に立った適切な維持・更新が極めて重要とした。

また、各団体では、アセットマネジメントの導入を進めるとともに、その水準を引き上げる必要があり、国においても、対策を講じる必要があるとしている。


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