2021年9月1日 ワクチン接種「希望しない」は2割 日本財団若者調査 パスポート導入は4割が賛成

新型コロナウイルス感染症が未だ終息に至らないなか、発症や重症化を防ぐうえで重要な武器となるワクチン接種。日本財団が17歳から19歳の男女1000人を対象に行った調査(18歳調査)で、若者のうち約2割が接種するつもりがないと回答した。ワクチンを接種したことを示す「ワクチンパスポート」に関しては、4割以上が導入に賛成。反対意見は2割弱だったことから、多くの若者が接種証明を活用することを前向きにとらえていることがわかった。

新型コロナウイルス感染症のワクチンに対する若者の接種状況をみると、「接種したいが、予定日は決まっていない」が最も多く38.6%。次いで、「接種するかどうかは決めていない」22.5%、「接種するつもりはない」21.3%と続く。すでにワクチンの接種をすましたのは9.1%とわずかで、高齢者を皮切りに進められたワクチン接種が若者まで行き渡っていない現状が浮き彫りとなった。

ワクチンの接種場所としては、大学や企業といった職域接種が58.2%と最多で、居住する自治体が設けた接種会場は19.4%、かかりつけの医療機関は14.3%だった。

ワクチン接種を受ける理由として最も多かったのは、「自分の感染・発症を防ぎたい」(76.9%)。以下、「身近な人の感染・発症を防ぎたい」(55.5%)が多く、さらに、「周囲地域や日本全国の感染・発症を防ぎたい」(20.3%)、「身近な人が勧めているから」「学校・職場が進めているから」(ともに11.2%)も上位を占めた。

 

身近な人に聞いてから決めたい

一方で、ワクチンを受けないとしている若者も一定する存在する。その理由に関しても、接種理由同様に複数回答で聞いた。「ワクチンの短期又は軽度の副作用が心配」、「ワクチンの長期または重度の副作用が不安」「ワクチンに関する情報が足りない」が32.2%、41.3%、30.6%と上位に挙がった。また、「身近で接種した人の話を聞いてから決めたい」といった声や、「ワクチンの予約や接種が難しい、面倒」「ワクチンの予約や接種方法を知らない」という回答も、若者から寄せられている。

ワクチンの情報源としては、接種意向者・非意向者とも、「テレビ」「インターネットのニュース」「インターネットのSNSや掲示板」が上位にあがった。国や自治体ウェブサイトに関しては、接種意向者の34.5%、接種非意向者は23.1%と差がみられた。また、接種を希望しない若者は、特に情報を集めていない者が、接種希望者に比べて多かった。

これから利用する頻度が高そうな情報源としては、接種意向者・非常意向者いずれも「テレビ」「国や自治体のウェブサイト」「インターネットのニュース」が上位を占めた。「国や自治体のウェブサイト」や「国や自治体からの郵便物」に関しては、接種非意向者は接種意向者に比べて少ない。接種非意向者は「まだ接種を受けていない身近な人」が接種意向者に比べて多かった。

 

チケット優先入場は「反対」

ワクチンを接種したことを証明するためのワクチンパスポート。同証明書の所持者に対して特定を付与することについては、43.6%の若者が賛成の意を表明した。反対したのは18.2%。接種意向者は57.1%が賛成したのに対し、非意向者の賛成は26.3%と考え方の違いがみられた。

ワクチンパスポート所持者に対する特典に関しても、意見を聞いた。賛成意見が多かったのは「介護施設や医療施設での面会制限の免除・緩和」(40.1%)や、「会社への出勤や、学校への通学制限の免除・緩和」(35.6%)。「国内の旅行や移動の制限の免除・緩和」も35.0%が賛意を示した。

一方で、「イベントのチケットを優先的に買えたり、イベントに優先的に入場したりできる」「日本へ出張や旅行に来た外国人に対して、入国時の隔離等の制限が免除・緩和される」「日本から海外出や海外旅行に行った人に対して、帰国時の隔離等の制限が免除・緩和される」に関しては、賛成よりも反対の意見が多かった。


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