2022年3月14日 レビュー結果は4月に公表 IAEA調整官らが福島第一原発を現地調査

国際原子力機関(IAEA)原子力安全:核セキュリティー局のグスダボ・カルーソ調整官を含む6名のIAEA職員と、8名の国際専門家が2月14日から18日にかけて日本を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の安全性に関するレビューを行った。

今回のレビューミッションは、IAEAとの間で昨年7月に署名したALPS処理水の取扱いに係る包括的な枠組みに関する付託事項に基づき実施されたもの。今後も放出の前、放出中、放出後にわたって行われるIAEAの支援の一環として、原子力分野の専門機関であるIAEA及び米国、英国、フランス、ロシア、中国、韓国、ベトナム、アルゼンチンの国際専門家がALPS処理水の海洋放出の安全性について、国際安全基準に基づいて、評価・レビューを実施した。

 

経済産業省・東電との会合

 レビューでは、IAEAの安全基準に基づいて、放出されるALPS処理水の性状、放出プロセスの安全性、人と環境の保護に関する放射線影響等について、技術的な確認が行われた。今回のレビューの結果については、4月を目途にIAEAから公表される予定。

特に東京電力が昨年11月に公表したALPS処理水の海洋放出に係る人及び環境への放射線影響評価報告書については、評価の範囲や参照する文献等について確認がなされた。今回のIAEAの指摘は、これまでの意見交換における指摘と併せて、評価報告書の見直しに反映され、内容の一層の充実が図られる。

 

福島第一原発を現地調査

 期間中、2月15日には、カルーソ調整官をはじめとする14名のIAEA職員と国際専門家は、福島第一原発を訪問し、レビューの対象となる多核種除去設備(ALPS)、希釈放出前に処理水に含まれる放射性物質の濃度を確認する測定・確認用のタンク群、処理水の希釈用設備や放出設備の設置が検討されている港湾部等の現地確認を行った。

また、東電が測定・確認用設備からALPS処理水のサンプルを採取する場にIAEA関係者が立ち会った。東電によるALPS処理水に含まれる放射性物質の濃度分析の確認を目的として、今後、IAEAの研究所においても放射性物質の濃度分析を行うことで合意し、引き続き、実施内容の詳細について調整することとしている。

 

IAEAが新たなウェブページ

IAEAはALPS処理水に関して、新たなウェブページを立ち上げた。安全性に関するレビューの内容やよくある質問について、英文だが、一般の人にも分かりやすい形で発信している。


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