2016年11月9日 ドライアイ指数をチェック 世界初、スマホアプリを開発(順天堂大)

順天堂大学(新井 一学長)は、アップル社が公開した「ResearchKit®」というアプリケーション専用のフレームワークを使用し、世界初の〝ドライアイや眼精疲労といった症状と生活習慣の関連性を明らかにするためのアプリケーション『ドライアイリズム』を11月2日にリリースした。研究代表者は医学部眼科学講座の猪俣武範助教。

画面イメージ

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このアプリを使用することで、ドライアイや眼精疲労といった目の症状をドライアイ指数という形でチェックすることができる。また、運動や睡眠、水分摂取量といった生活習慣を同時に計測することで、ドライアイと生活習慣の関連性を明らかにすることも可能となっている。

デザイン・開発はUI/UXデザインカンパニーの(株)オハコと協力し、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指した。アプリはAppストアから無料でダウンロードする。

ResearchKit®は、医学研究をサポートする目的で開発されたオープンソース・フレームワーク。順天堂では、開発の意図、指標の測定方法などを次のように説明している。

 

✓ なぜ「ドライアイ」なのか?

ドライアイは国内に2200万人、世界に10億人いると推測されている最も多く一般的な眼科疾患。しかしながら、多くの人が未だに診断に至っておらず、眼精疲労、眼痛、頭痛、自覚視力の低下、肩こりなど、QOL(生活の質)を下げる原因となっている。

もし普段からの症状の変動について、可能な限り正確な情報を集めることができれば、症状がでる前に予防することや、回復を早めたりすることができるはず。このように、すべての人に眼の健康を届けたいという思いから「ドライアイリズム」を作った。

 

✓ どうやって「ドライアイ指数」を計測するのか?

ドライアイリズムでは実用視力、まばたき回数の測定、ドライアイ質問紙票(OSDI)を用いてドライアイ指数を計測する。このドライアイ指数はSNSにシェアすることも可能。

 

✓ 生活習慣を記録

日々のストレス、睡眠時間、パソコンでディスプレイなどを使用する作業である「VDT作業」の時間、便の回数、水分摂取量などを記録し、ドライアイとの相関性を確認することができる。

また、1週間連続して入力してもらうことで生活週間とドライアイの関連性をより理解することも可能となる。

 

順天堂などでは、プライバシーと安全性についても慎重かつ法令に巡視した上で活用する方針。収集されたデータは、個人の特定に結びつく情報を一切持たないため、万が一漏洩しても個人の権利や財産の損害に結びつくことはなく、研究への参加は自由意思によるものですので、いつでも研究への参加を中止することができる。

また、この研究は問診を中心とした疫学的観察研究で、何らかの身体負荷がかかる介入は一切ないため安全だとしている。


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