2020年7月30日 スマート農業実現する栽培管理支援システム 「xarvio® FIELD MANAGER」

JA全農とドイツのBASFデジタルファーミング社(BASF Digital Farming GmbH)は、AIを活用した栽培管理支援システム「ザルビオ フィールドマネージャー(xarvio® FIELD MANAGER)」を2021年4月に日本で上市することを目指して協業を開始した。

「ザルビオ フィールドマネージャー」は、海外では2017年にサービスが開始されており、2020年現在、世界15ヵ国300万ヘクタール以上で使用されている。

また、日本国内の農業の状況をみると、担い手への農地集積が進む一方、一筆一筆の圃場は小規模かつ分散している場合が少なくない。大規模経営の発展には、多くの圃場をいかに効率的に管理するかが課題となっている。

「ザルビオ フィールドマネージャー」は、各圃場の土壌や作物の品種特性、気象情報、人工衛星からの画像等をAIが解析して、作物の生育や病害・雑草の発生を予測し、最適な防除時期や収穫時期等を提案する。「いつ、どのような作業が必要か」を圃場ごとに把握できるため、効率的な栽培管理計画を作ることが可能となる。

今年度は、全国135ヵ所で実証試験を行い、大規模生産者や公的試験場、JA、県連、全農がシステム機能を確認するとともに、システムの最大の特長であるAIを日本の栽培方法により適した仕様とするための改良を進めている。

来年4月には「水稲」、「大豆」を対象にサービスを開始し、その後も対象作物を増やしていく予定だ。

また、利用者のデータ管理を強化するため、全農が開発・運営する営農管理システム「Z‐GIS」との連携が予定されている。ドローンやGPSナビ付トラクター、収量コンバインをはじめとする農業機械、各種計測機器との連携も進め、多くの生産者にサービスを提供することを目指していくとしている。

 

■営農管理システムZ‐GISの概要

「Z‐GIS」は、インターネット上の電子地図とマイクロソフト・エクセルのワークシートを結び付けたGIS(地理情報システム)。土地所有者や作付け品目・品種、生産履歴など、圃場に関する情報管理の効率化を目指して平成30年4月にリリースされた。

― システムの特長 ―

【データをエクセルで管理・保管】

Z‐GISは、エクセルを利用しているので入力しやすく自由度が高い。また、CSV形式でデータ出力できる他のシステムとの連携が可能。

【様々な営農管理情報を地図上に表示】

作物名ごとに圃場を色分けする、栽培面積・品種などの文字情報を地図上に表示するなど、電子地図を用いた様々な表現が可能。

【圃場地図の印刷】

大判プリンタがあればポスターサイズの圃場地図が印刷できる。また、大きな地図をA4サイズに分割し、小型プリンタで印刷することもできる。

【ファイル保管・共有】

Z‐GISで作成したデータは専用のクラウドストレージに保管される。クラウドを使い、パソコン、スマートフォン、タブレットでデータを操作することができ、ファイルを複数の人が共有できる。

【圃場数に基づく利用料金】

Z‐GISの利用料金は、圃場数に基づいて設定されている。100圃場以下の小規模な経営体であれば年額2400円から利用できる。ほ場数が2000を超えると一律年額4万8000円となり、大規模な集落営農やJAも利用しやすい料金となっている。


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