2018年11月7日 ガイドラインを改定―国交省 空港旅客ターミナルビル等のバリアフリー

近年の訪日外国人の増大等の情勢変化や東京オリンピック・パラリンピック等を踏まえ、バリアフリー法の改正、移動等円滑化基準の改正等、様々な取組が進められている。国土交通省航空局は24日、空港ターミナルビル等のバリアフリー・ユニバーサルデザインをより一層推進するため、「みんなが使いやすい空港旅客施設計画資料」(空港旅客ターミナルビル等のバリアフリーに関するガイドライン)を改定した。今回の改定では、ガイドラインの構成を見直すとともに、「移動等円滑化基準」と「バリアフリー整備ガイドライン」改正に伴う見直しや、新たな技術・システム開発動向を踏まえた対応、空港施設で生じている課題への対応のほか、「みんなが使いやすい空港旅客施設計画資料」固有の内容について記述を充実している。

ガイドラインは、空港関係者が、ターミナルビルや駐車場等の空港旅客施設計画を検討する際に参考となる基本的考え方、バリアフリー基準、配慮事項、導入事例等を図表や写真を加え、取りまとめたもの。

主な改定内容をみると、ガイドラインの構成について、義務として最低限の円滑な移動を実現するための「移動等円滑化基準に基づく整備内容」、これに準じて積極的に整備することが求められる「標準的な整備内容」、さらに高い水準を求める「望ましい整備内容」に明確化した。

また、「移動等円滑化基準」と「バリアフリー整備ガイドライン」改正に伴う見直しとして、エレベーターのかごの大きさ位については、カートやキャリーバッグ等の荷物を運ぶ利用客が多い等の空港の利用実態を踏まえた適切な選択ができるよう、考え方や整備内容を記述。トイレのバリアフリー化については、多機能トイレを前提とした規定に加えトイレのバリアフリー機能(車椅子に対応した広いスペース等、オストメイト)を複数の便房へ分散配置することができることを規定するとともに、空港ごとの空間的制約等を踏まえつつ、利用者にとってわかりやすい配置や適切な情報提供にも配慮した検討が必要な旨を記述している。

新たな技術・システム開発動向を踏まえた対応としては、空港毎の設置条件等を踏まえ、段差のない搭乗橋の導入の検討を行うことについて、「望ましい整備内容」として推奨している。

空港施設で生じている課題への対応等しては、従来、チェックインカウンター等で車椅子の乗り換えを行っていた車椅子使用者が搭乗口まで自前の車椅子で移動することを可能とするために、搭乗口から航空機材までの車椅子の運搬方法の確保が必要であり、固定橋エレベーターの活用が有効であることを、コラムで取組事例を示し明記した。

「みんなが使いやすい空港旅客施設計画資料」固有の内容についての記述の充実では、リフト付き車両やUDタクシー利用の拡大を踏まえ、旅客ターミナルビル前の障害者用停車枠の望ましい奥行きについて、「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」の内容も踏まえた必要な寸法の確認に基づき、現行の奥行6m以上に加え、奥行8m以上を(車両動向に応じた)「望ましい整備内容」として推奨している。


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