2016年8月22日 「賢く投資・賢く使う」を徹底 ストック効果の最大化・見える化で骨子案

国土交通省の社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会計画部会専門小委員会はこのほど、ストック効果の最大化・見える化についてのとりまとめ骨子案を公表した。ストック効果「最大化」戦略(仮題)と題したとりまとめ骨子案では、これからの社会資本整備はストック効果「最大化戦略」に転換することとした上で、具体的施策として、「効果が出る」から「効果を出す」へと発想を転換し、「賢く投資・賢く使う」の徹底→ストック効果の「見える化」さらに「見せる化」へ→「フィードバック」というサイクルの確立を掲げている。専門小委員会では、10~12月に中間とりまとめを行い、計画部会に報告する予定。

骨子案で示された具体的施策のうち、「賢く投資・賢く使う」の徹底では、「賢く投資」(投資面の工夫)について、企業の事業活動に合わせた事業実施スケジュールの調整、複数施設の配置計画の工夫、道路整備に伴う事業地周辺における規制緩和、既存ストックの機能を高める追加投資、ICTを利活用した先進的モニタリングシステムの利用等が重要としている。

また、「賢く使う」(施設運用面での工夫)について、需要状況に応じた継続的な運用の見直し、PPP/PFIの手法による施設の高付加価値化、ビッグデータによる施設利用の状況の可視化・分析等が必要との考えを示している。

さらに、「賢く投資・賢く使う」の条件整備では、事業計画のビジュアル化などわかりやすく、かつタイムリーな情報発信等が必要としたほか、市場・利用者のニーズの的確な把握、審査手続きの迅速化やワンストップ化等が重要とした。

 

ストック効果の「見える化・見せる化」

ストック効果の「見える化・見せる化」については、幅広い効果の把握のため、事後評価で可能な限り客観的、定量的に把握するよう求めるとともに、効果を高めた「工夫」の実績やレッスン(教訓)も可能な限り把握することを提言。

行政機関や民間事業者が保有する情報のほかビッグデータの積極的な活用、アンケートの活用に当たってウェブでの実施等による効率化にも留意、データの所在、活用方法等の整理が必要とした。

さらに、誰にでもわかりやすい伝え方について、優良事例集の作成やアーカイブ化によりわかりやすく解説・紹介すること、地域住民向け、企業向け等、相手に応じたストック効果のPR方法の検討を求めた。

経済分析手法の活用に向けた検討においては、帰着ベースの分析手法等による効果の見える化を求めている。

 

フィードバック

フィードバックについては、「見えるか」で得た知見を活用し、把握した工夫・効果・レッスンの横展開のため、幅広いストック効果を積極的に把握、計画・推進へ反映することに加え、蓄積・類型化された「工夫」の適用の検討やレッスンの参照を提言。

また、これらを的確に実践するため、「見える化・見せる化」のためのマニュアルの作成・共有、優良事例集の作成・アーカイブ化、工夫のインデックス化が必要とした。


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