2019年11月22日 「富岳」プロトタイプが世界1位に 富士通と理研、スパコン消費電力性能を実証

富士通(株)と理化学研究所が共同で開発を進めているスーパーコンピュータ「富岳」のプロトタイプが、スーパーコンピュータの消費電力性能を示すランキングであるGreen500において、世界1位を獲得した。

今回のランキングは、米国で開催されたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に関する国際会議において発表された。グリーン500は、世界中のコンピュータシステムを計算処理速度の速い順に上位500位までランク付けしたリストであるTOP500にランクインしたスパコンの中で、少ない消費電力で効率的に計算できた順にランク付けしたもの。

世界1位を獲得したシステムは、「富岳(ふがく)」のプロトタイプとして富士通が製造し、沼津工場に設置したもの。システムには、富士通が世界で初めて開発したCPUを768個搭載している。

性能測定では、ピーク性能の2万3593PFLOPS(ペタフロップス)に対し、連立一次方程式を解く計算速度で1万9995PFLOPS、消費電力1ワットあたりの性能で16.876GFLOPS/W(ギガフロップスパーワット)を達成し、「富岳」の開発技術が世界トップの消費電力性能を有することを実証した。

富士通は今後も、「富岳」の完成に向けて、着実にシステム製造と設置を推進していく。また、「富岳」の開発で培った技術を生かして開発した商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」及び「PRIMEHPC FX700」の提供を通じて、より幅広い層にこの消費電力性能を利用してもらえるよう取り組んでいくとしている。

理研は、世界最高水準の汎用的なシステムを目指す「富岳」の開発主体として、2021年頃の共用開始を目指して開発・整備を確実に進めている。「富岳」はSociety5.0を支える重要な研究基盤として、創薬や防災、産業競争力の強化などを実現するシミュレーションに加え、新しい利用分野であるAI(人工知能)やビッグデータの基盤としての利活用が期待されている。

 

※ 富士通・新庄直樹理事のコメント

今回の受賞は、理研と開発を進めてきた「富岳」の3つの大きな開発目標である、高いアプリケーション性能、省電力、使い勝手の良さのうち、省電力について世界一のレベルを達成することができたことを意味します。また、「富岳」はGPUなどのアクセラレータを用いない、様々なアプリケーションを処理することが可能である汎用CPUのみを搭載したシステムです。つまり、今回のランキングにおいて「富岳」の開発技術は、アクセラレータを用いた他システムを上回る消費電力性能を持ち、かつ、汎用CPUのみの他システムと比較して約三分の一の電力で処理を行える省電力なシステムであることが実証された。これは、当社が長年CPUを開発してきた技術・ノウハウの蓄積と、設計の初期段階から性能と消費電力を意識した徹底的な最適化の取り組みが可能にしたものです。汎用性と省電力性を兼ね備えた「富岳」がSociety5.0の実現を担うスパコンとして広く活用されることを期待しています。

 

※ 理研計算科学研究センター・松岡 聡センター長のコメント

「富岳」ではコデザインによる開発で目標を大幅に超える世界最高の電力性能を誇る汎用CPUの開発に成功しました。GPUマシンがランキングの上位を占める中で、汎用CPUマシンがこれらを上回るのは非常に画期的なことです。


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