2016年9月20日 「五輪の年には文化省を」 文化芸術推進フォーラムがキャンペーン

能楽師の野村 萬・公益社団法人日本芸術実演家団体協議会会長を議長とする文化芸術推進フォーラムは、文化行政の京都移転に懸念を表明するとともに、「五輪の年には文化省」創設を求めるキャンペーンに積極的に取り組んでいくことをアピールしている。

フォーラムでは、「わが国はこれからさらに少子高齢化、グローバル化が進み、かつてない成熟社会を迎えることが予想され、社会の〝新たなかたち〟が求められている」と強調。スポーツと文化の祭典であるオリンピック・パラリンピックの開催は、これまでの西欧化、近代化、経済成長だけでなく、自然との共生やわが国の固有の伝統を再評価し、文化の価値を中心に据えたまちづくり、観光、文化産業を核とした社会づくりを進め、文化外交、国際交流・発信を通して、広く国際社会に示し、新たな創造・発展のサイクルをつくる重要な契機だと訴えている。

具体的には、1)実演芸術、メディア芸術・映画、美術、生活文化それぞれに固有の政策を形成し、人々の創造、鑑賞、参加の充実を、2)わが国の多様な文化芸術を外交、観光、国際交流に生かす政策の展開を、3)文化芸術活動を支える政策、予算の充実、制度の改善を要請している。

15年前の2001年に文化芸術振興基本法が制定され、2012年には劇場などと実演芸術の振興を目指す「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」(劇場法)が制定されるとともに、2012年9月には、国会の歴史上初めて「文化芸術政策を充実し、国の基本政策に捉える」ことを求める請願が採択された。

これに対し政府は、「文化芸術創造立国」、「コンテンツ創造立国」、「クールジャパン戦略」など、文化芸術に関わる方針を打ち出しているが、その牽引力はいまだ不十分と分析。

さらに文化行政において経済、観光、外交等の観点も視野に入れた総合的な政策立案がこれまでに増して求められている中で、文化庁を数年のうちに京都に全面的に移転する方針が示され、移転に際しては新たな政策ニーズへの対応を含めた文化庁の機能強化を図ることとされている。

フォーラムでは、「文化芸術、伝統芸能の活動やその組織の多くが東京に存在する中、全面移転で情報収集、施策実施に十分な機能を発揮することが出来るだろうか」と疑問を投げかけ、「行政の機能は従来に増して必要性が高まっていることを踏まえ、関係省庁や芸術団体との連携を十分に図り、東京にこれまでを下回らない機能を存続させると同時に、京都においても新たな展開を進めることが必要」と指摘。

その上で、これまでの文化行政の枠にとらわれず、今日求められる文化芸術政策を目指し、政策立案能力と具体的な施策の充実により、従来にも増して文化行政の機能を果たすため、芸術文化予算を格段に充実すべきだと提唱している。

フォーラムでは、2020年に向け、オリンピック憲章の精神を実現し、日本の多様、多彩な文化芸術の水準をさらに高め、人々の生活、社会、経済に生かし、世界に示していくため、まず文化担当大臣を配置し、文化芸術に関わる政策を強力に主導する「文化省の創設」が必須だと訴えている。


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