2018年12月4日 「ゲームコース」の新設に高い関心 藝大映像研究科、グローバル人材を育成

東京藝術大学が発表した大学院映像研究科の「ゲームコース」開設構想が高い関心を呼んでいる。

ゲームコースは、映像研究科の中に、メディア映像専攻とアニメーション専攻にまたがる研究室の一つとして来年度から新設するもので、ゲーム技術・表現を駆使して様々な社会的課題を解決するために、芸術的・工学的能力の双方を兼備する新たなグローバル人材の育成を目指す。

藝大では、ゲームコースにおいて、「高い異文化理解度」「最新技術の活用」「未来志向の課題解決力」「芸術的表現」の4項目をキーワードとして、新時代のメディアアーティストを育成し、より良いグローバル社会の実現に映像教育サイトから貢献していきたい意向。

ゲームコース受講者は、修士1年次前期には、メディア映像専攻・アニメーション専攻の中で行われる必修科目や選択科目を受講する。修士1年次後期・修士2年次には、さらに各自の制作、研究を行う。修士1年次や修了次に各自のプロジェクトについての修了評価がある。在学期間を通じて、適宜、海外の大学等の教員やゲーム産業界の講師らを招きゲーム制作・研究に必要な講義や演習、ワークショップを行う。

制作した作品や研究は、専門家のみならず一般の人々から多様な批評やフィードバックをねらいとして、ゲーム展覧会の開催やインターネットなどでの公表、学会での発表などを積極的に行うことで、広く成果を発信していく。

映像研究科博士後期課程映像メディア学専攻においては、映像分野の一分野としてのゲームに関する研究を深化させ、博士論文としてのまとめるための教育を行っていく。特に博士後期課程では実制作に基づく研究を重視しており、論文発表などの学会活動と同様に、展示や上映などの創作活動を研究業績として評価している。

また、今年度から5カ年にわたる文部科学省「大学の世界展開力強化事業~米国等との大学間交流形成支援~」を活用し、全米1位のゲーム教育の実績を持つ南カリフォルニア大学(USC)映画芸術学部インタラクティブメディア&ゲーム学科、メディアアート+プラクティス学科と連携し、インターネットを活用した教育を積極的に行っていく。交流学生数は、長期、短期の派遣・受入れを合わせて、毎年度計20名程度を想定している。

大学院映像研究科では、平成28年から、新たなゲーム開発メソッド「AtoG」の研究と開発を行っている。「Animation to Game」プロジェクトの意味で、既に完成したアニメーションのテーマやコンセプト、シナリオ、キャラクターデザイン、背景デザイン、世界観などにゲームならではの要素を加えて、新たなコンテンツを開発する方法。ゲームコースでは、引き続きこのAtoGの手法に基づくゲーム制作・研究を行っていく。

ゲームコースの出願期間は11月28日から12月4日まで、試験は1月から2月に行う。博士後期課程の場合は、映像メディア学専攻の入試として行う。


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