2022年2月9日 【JAMSTEC】AIで海岸漂着ごみの被覆面積推定

国立研究開発法人海洋研究開発機構付加価値情報創生部門情報エンジニアリングプログラムの日高弥子臨時研究補助員および松岡大祐副主任研究員らは、鹿児島大学学術研究院の加古真一郎准教授と共同で、ディープラーニングを用いて海岸漂着ごみの被覆面積推定を行う新手法を開発した。AIを用いた画像解析によって、地上で撮影された海岸の写真等から、漂着ごみ(プラスチックや瓶・缶等の人工物、流木や灌木等の自然物)を検出することに成功した。また、海岸での漂着ごみの被覆面積の推定にも応用可能であることを確認した。開発された手法は汎用性が高く、このAI用の学習データセットは世界中で活用可能。海岸でのプラスチックごみの現存量や外洋への流出量推定の自動化への展開が期待される。

海岸漂着ごみは、生態系を含めた海洋環境への影響が大きく、漁業や観光、景観維持においても大きな問題となっている。これまで、海岸での漂着ごみの実態調査が世界中で進められてきたが、ごみの現存量を定量化するための汎用性・実用性に優れた技術の確立には至っていなかった。

そこで研究では、セマンティック・セグメンテーションと呼ばれるディープラーニングを用いた画像解析技術を応用し、地上からデジタルカメラ等で撮影された写真に対して画素(ピクセル)単位で海岸漂着ごみを検出する手法を開発した。

その結果、ごみの被覆面積の推定に応用可能であることや、学習に用いた海岸以外の海岸画像またはドローンを用いた空撮画像に対しても適用可能であることがわかった。

開発された技術は、デジタルカメラ等を用いて簡易的に撮影された写真だけでなく、空撮画像等さまざまな海岸モニタリングデータから海岸漂着ごみの現存量を推定するための汎用的な技術として実用化が期待される。

 

 


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