■ポイント□
〇特定の場所で着用すると、ARで加工された写真が撮れるマスクとスマホアプリの商用利用にむけた実証実験を実施
〇学生が企画した5ヵ所の撮影スポットでの撮影を楽しみながら移動してもらうことで、来場者の会場内での回遊を促進
〇学生が企業の協力を得て、商用活用に向けた課題や可能性を調査し、開発から事業化までのプロセスを学習
近畿大学経営学部商学科の廣田章光教授ゼミ学生らが、6月11日㈯に天王寺公園エントランスエリア「てんしば」で開催されるイベント「てんしばスポーツフェスタ2022」で、AR(拡張現実)機能搭載マスクの商用化に向けた実証実験を実施する。
このマスクを着用してスマートフォンの専用アプリで撮影すると、ARの加工によって、あべのハルカスなどを背景に非日常空間にいるような写真を撮影することができる。
この事業は、近畿大が全学を挙げて取り組んでいる「〝オール近大〟新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施しているもの。
思わずつけたくなるマスク
マーケティング戦略論を専攻する廣田ゼミでは、「デザイン思考」について研究しており、日常生活での観察調査をもとに、コロナ禍で〝着けなければならないマスク〟を〝思わず着けたくなるマスク〟に転換することを目指し、昨年にAR機能を搭載した『ワンダーマスク』を開発した。このマスクは、図柄がARマーカーとなっており、着用した人を専用アプリで撮影すると、GPSによって認識した位置情報をもとにARコンテンツが表示され、エフェクトのかかった写真や動画を撮影できる。
屋外商業施設、観光地での商業利用に向けてテストを繰り返してきたが、今回、ヤフー㈱が運営するオープンコラボレーションハブ「LODGE」と、近鉄不動産㈱の協力を得て、天王寺公園エントランスエリア「てんしば」で開催されるイベント「てんしばスポーツフェスタ2022」で、商用化に向けた実証実験を実施することになった。
イベント来場者に『ワンダーマスク』を配布し、学生が企画した5ヵ所のエリアに設置した撮影スポットで、ARエフェクトのかかった写真を撮影する体験をしてもらう。楽しみながら移動してもらうことで、来場者の会場内での回遊を促進する。また、学生が使用感についてインタビューやアンケートを実施するなどして、ワンダーマスクによる行動変容効果と用途可能性について調査を行う。