2022年4月5日 【近畿大】環境関連事業のエコリオと『飼料原料のバイオコークス化に向けて共同研究を開始』 新資源の実用化で温室効果ガスの削減と循環型社会の実現を目指す

近畿大学バイオコークス研究所(北海道恵庭市)と、環境関連事業の企画・運営を行う㈱エコリオ(本社:東京都中央区)は、エコリオが取り組む「エコリオステーション・プロジェクト」で揚げカスから生産される飼料原料を用いたバイオマス燃料「バイオコークス」製造の評価と実用化に向けた共同研究を開始する。

バイオコークス化実現の可能性から共同研究を開始

昨今、地球温暖化や大気汚染など、様々な環境問題が深刻化しており、それらの対策のひとつとしてSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業も増えている。特に鉄鋼産業は、二酸化炭素(CO)を多く排出するため、削減に向けて技術開発を加速させる必要がある。

そこでエコリオは、自社で開発した「揚げカスを飼料原料とバイオマス燃料へ再生できる機器」を活用することで、廃棄物を有価物化できる点に着目。2021年から近畿大バイオコークス研究所と、揚げカス由来の飼料原料を利用したバイオコークスのサンプルを製造し、実証実験を開始した。

揚げカスは、油を含むため多くのエネルギー値があり、バイオコークス化への実現の可能性が見えたため、本格的な共同研究を進めることになった。

エコリオステーションを使用し1年間の実証評価、燃焼実験実施

「エコリオステーション・プロジェクト」は、揚げカス搾り機『エコリオ』から排出される搾りカスを有価物として回収し、飼料原料とバイオマス燃料(電力)へ再生させることにより、資源循環を通じて持続可能な社会への貢献を目指すもの。

揚げカス搾り機『エコリオ』は、天カス及びフライカスを圧縮して油と搾りカスに分離し、体積を減量することで、食品残渣リサイクル法の法定基準(ゴミの総排出量20%削減)を達成することを目的として開発された業務用厨房機械。

揚げカスを圧縮する過程で生産される飼料原料によるバイオコークスの実用化が進めば、燃焼時に発生する二酸化炭素を原料植物育成に再利用することで、循環型社会の実現と化石資源の代替による温室効果ガスの削減に繋がることが期待される。

プロジェクト第1号案件として、食品リサイクル事業会社との連携により、埼玉県熊谷市で『熊谷エコリオステーション(仮称)』を、2022年夏に竣工及び稼働させることを予定している。

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今回の共同開発研究では、『熊谷エコリオステーション(仮称)』にて、バイオコークスの実証評価と燃焼実験を1年間実施する。国内でのサーキュラーエコノミーを実現するとともに、将来的には揚げカスに含まれる油分の高エネルギー値を最大限に活用し、溶鉱炉やボイラーの燃料として実用化することにも取り組み、温室効果ガス削減への貢献を目指す。

バイオコークス:あらゆる植物(バイオマス)から形成できる固形燃料。石炭や石炭コークス、灯油等の化石資源の代替を可能にする持続・再生可能なエネルギーで、石炭コークスに比べてCO排出量は約3分の1、燃焼時間は約1.5倍。また、原料として植物性廃棄物を利用するため、カーボン・ニュートラルで地球環境に優しいエネルギー源としても注目されている。


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