2022年6月21日 【芝浦工大】海洋深層水由来のバランスウォーターに健康効果を発見 最適な硬度を提案

■ポイント□

〇海洋深層水に認識機能の向上や中性脂肪・血糖値の改善など有益な効果があることを発見

〇適切なミネラルを継続的に摂取することで健康を維持できる可能性

〇海洋深層水由来のバランスウォーターを継続的に飲用する場合は硬度200か300が最適

 

芝浦工業大学(東京都港区/学長 山田純)生命科学科・福井浩二教授らの研究チームは、海洋深層水由来のバランスウォーターを継続的に飲用することで多くの健康効果が期待できることを発見した。

ミネラルは生物にとって必要不可欠だが、ミネラルを多く含む高硬度水の連続摂取は、逆に身体に悪影響を及ぼす可能性もある。研究では、ミネラル効果を得るための継続的摂取に最適な硬度を検討した。

研究チームは、高知県室戸市沖で採取した海洋深層水からミネラル成分のみを抽出し、硬度の異なる水飲料(バランスウォーター)(硬度レベル:200、300、500)を作製。この海洋深層水由来のバランスウォーターを肥満マウスに2ヵ月間投与し、認知・協調機能、さらには血液・生化学的パラメータへの影響を評価した。

マウスには高脂肪食を与え、海洋深層水由来のバランスウォーターを与えなかった対象マウスとの比較を行った。

実験から、どの硬度の海洋深層水由来のバランスウォーターでも、マウスに抗肥満効果は観察できなかったが、非投与マウスと比較して認知機能や協調機能が有意に改善されたことを確認した。

さらに、海洋深層水由来のバランスウォーターを投与したマウスでは、尿素窒素、無機リン、アミラーゼ、グルコースなどの血清パラメータが、非投与マウスに比べ有意に減少しており、腎機能の改善・維持に有効である可能性も示された。

硬度レベル300の海洋深層水由来のバランスウォーターの定性分析では、マグネシウムとカリウムが、それぞれ水道水をろ過した場合の11倍や7倍と高く、さらに多数の微量ミネラルも含まれていることが判明した。

しかしこの際、ナトリウムの濃度は2.5倍しか上昇しておらず、また血清レベルでは非添加群と比較しても上昇していなかった。

海洋深層水由来を飲料として利用し、含まれる多種類のミネラルを摂取するには、ナトリウムイオン濃度を低く保つことが重要。ナトリウムの過剰摂取は、糖尿病、高血圧、心血管疾患の高リスク因子であることがよく知られている。

この研究では、硬度レベル(200、300、500)の異なる海洋深層水由来のバランスウォーターを肥満マウスに与えることで学習能力の改善や、血中の腎機能パラメータのみならず中性脂肪や血糖値の有意な低下などの効果も確認した。

実験結果から、海洋深層水由来のバランスウォーターを継続的に摂取する場合には、硬度200、あるいは300が最適であることを確認した。ここ数年、生活習慣の変化によりミネラルの摂取が不十分となっている。適度なミネラルを含む飲料の継続的な摂取は、適切な健康を維持するのに役立つと考えられるという。


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