2022年6月8日 【筑波大】描画動作のAI自動解析により言語を使わずに 認知機能低下を検出するツールを開発

■ポイント□

〇高い精度で認知機能レベルを推定

〇国・地域に関わらず認知機能の評価方法を示したのは世界初

〇認知症の早期発見・介入対策の一助に

 

アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症で、認知機能の低下を検出し早期に診断を行うことは予防・治療のために重要。認知機能低下の検出には、通常、専門家による認知機能検査が行われるが、世界的には、このような検査に基づいて適切な診断・治療を受けられる人は限定的となっている。また、こうした検査はさまざまな言語に翻訳されて利用されているものの、その結果の妥当性に関する国際的な比較はあまり行われていないのが現状。

そこで筑波大学医学医療系の新井哲明教授の研究では、言語による回答を必要としない、認知機能低下検出のための新しいツールを開発した。このツールでは、高齢者がタブレット端末に描画したデータから、描画速度や静止時間、筆圧やペンの傾きを自動で分析し、AIを活用して認知機能低下の程度を推定する。

このタブレット端末を用いて日本とアメリカの高齢者の認知機能を解析、比較した結果、認知機能の低下とともに描画速度のばらつきや静止時間が増加するといった傾向が、両国に共通して認められた。

そこで、アメリカの高齢者から収集したデータを用いて認知機能レベルの推定モデルを構築し、日本の高齢者の描画データに適用したところ、従来の推定モデルよりも高い精度で、認知機能レベルを推定することに成功した。

言語に依存しない描画データを解析対象とすることで、国や地域に関わらず利用可能な認知機能の評価方法を示したのは、この研究が世界で初。このようなツールは、世界的な問題である認知症の早期発見・早期介入対策の一助となると期待される。


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