2023年3月15日 【文科省】外国人留学生在籍状況・日本人海外留学者数 新型コロナウイルス感染症の流行が影響

毎年、外国人留学生の在籍状況や日本人学生の海外留学状況等の調査を行っている日本学生支援機構は、最新の調査結果を取りまとめた。また、文部科学省においてOECD等による統計をもとに、日本人の海外留学者数を集計して、最新の状況を取りまとめた。ともに新型コロナウイルス感染症の流行が大きく影響している。

■外国人留学生数

外国人留学生在籍状況調査によると、2022(令和4)年5月1日現在の外国人留学生数は23万1146人(対前年度比1万1298人(4.7%)減)だった。留学生数の多い国・地域は中国10万3882人(対前年度比1万373人減)、ベトナム3万7405人(対前年度比1万2064人減)、ネパール2万4257人(対前年比5432人増)だった。留学生数には、入学に必要な手続き等は完了していたものの、わが国の入国制限によりやむなく海外現地でオンライン授業等を受講していた者の数も含まれ、全体の8.5%(1万9552人)を占める。

2022年3月以降、水際対策の段階的な緩和により留学生の新規入国が進み、大学・短大及び大学院の非正規課程(交換留学プログラム等)や日本語教育機関の留学生については、増加に転じた。他方、国内機関からの進学者が多い専修学校や大学・短大の正規課程においては、過年度における日本語教育機関の留学生数の減少の影響などにより減少しており、これにより外国人留学生在籍数全体としては減少となった。

■日本人の海外留学者数

1)日本学生支援機構による調査

日本学生支援機構が実施している「日本人学生留学状況調査」によると、大学等が把握している日本人学生の海外留学状況は、2021(令和3)年度で、1万999人(対前年度比9512人増)だった。

前年度(2020年(令和2)年度)は、新型コロナウイルス感染症による留学先の入国制限措置等によって激減したが、その後、文部科学省において実施した「留学予定者ワクチン接種支援事業」を含む国内の新型コロナウイルスワクチンの接種の進展や、留学先におけるワクチンパスポートの提示等による段階的な入国制限措置等の緩和、日本学生支援機構による海外留学への奨学金制度の段階的な再開などを受けて、大学等の派遣留学プログラムの再開が進んでいることが増加の要因と考えられる。

留学生数の多い国・地域は、アメリカ合衆国3603人(対前年度比3363人増)、韓国1209人(対前年度比944人増)、カナダ1189人(対前年度比1000人増)だった。

2)OECD等による統計

OECD、ユネスコ、米国国際教育研究所(IIE)等の2020(令和2)年統計をもとに、海外の機関が把握している日本人の海外留学者数(主に長期留学)を文科省が集計したところ、4万2709人(対前年比1万9280人(31.1%減)で、留学者数の多い国・地域は、アメリカ合衆国1万1785人、中国7346人、台湾5116人だった。減少の理由としては、この年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響が現れたことが考えられる。


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