2021年8月2日 【内閣府】ムーンショット研究事業で推進 脳科学の知見とテクノロジーの有効活用

内閣府のムーンショット型研究開発事業のムーンショット目標1の研究開発プロジェクトである「身体的能力と知覚能力の拡張による身体の制約からの解放」(代表機関:㈱国際電気通信基礎技術研究所等)の一環として、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)注1)利用ガイドライン作成に向けた動きが始まった。ガイドラインによって、社会でのブレイン・テックに対する適正な理解向上と安全な利用促進が期待される。

「ブレイン・テック」と呼ばれる脳科学の知見とテクノロジーの融合を活用したヘルスケアは、2025年には5.2億米ドルに成長する新興市場。快適な睡眠、効率的な学習、気分の浮き沈みの緩和、ストレス管理など、ブレイン・テックは今後、人々にとって身近なものとなり、利用機会が増えていくと予想される。

その一方で、ブレイン・テックは発展途上な市場のため、「どのような人に、どれくらい効くのか?」(有効性)ということや、「副作用はないのか?」(安全性)といったことに関する、科学的なエビデンスが不足していることも否めない。

そこで、今の科学でわかっていることを理解しやすくまとめ、そのエビデンスに基づいた利用指針を示すために、このたび、ムーンショット金井プロジェクトでは、BMI利用ガイドライン作成委員会を設置し、活動を開始した。

活動では、脳科学の知見を応用したプロダクトやサービスを起点として、利用されている生理指標や介入効果に関する科学的な有効性と安全性の根拠をシステマティック・レビューによって分析する。その上で、現在の知見から言えること、わからないこと、今後の発展に必要なことを整理して、文章として公開する。

また、このようなBMI利用ガイドラインは、国際的に必要性が強く認識されている。そこで、作成したガイドラインをもとに、ブレイン・テックの信頼性を評価する方法の国際標準化を目指した活動も推進。この活動では、ブレイン・テックに用いられている指標や介入による効果は評価するが、個別製品の評価は対象としていない。

こうした取組によって、一般の利用者がブレイン・テックを適正に判断して安全に利用することが可能となる。さらに、ブレイン・テックのメーカーや科学者に対しても、適正な開発とエビデンスの構築を促すことにつながる。

ブレイン・テックが社会から支持され、共に歩む存在として認められるために、「BMI利用ガイドライン」の策定を通じて、社会におけるブレイン・テック利用の信頼獲得を実現する。


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