2019年9月20日 AI機能センサーの実現目指す 産総研と東大がイノベーションラボを設立

国立研究開発法人産業技術総合研究所エレクトロニクス・製造領域は、東大大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC)と共同で、「産総研・東大AIチップデザインオープンイノベーションラボラトリ」(AIDL)を設立した。

産総研のオープンイノベーションラボラトリ(OIL)は、平成27年度から令和元年度までの第4期中長期計画で掲げている「橋渡し」を推進していくための新たな研究形態で、AIDLが第8号。東大として平成28年6月に東大柏キャンパスに設置されたOILに続き第2号となる。

実空間からのビッグデータを高効率に処理するためには、AI処理を行うことができるエッジコンピューティングが重要となる。AI処理を行うデジタル回路はもちろんのこと、データ取得や通信のためのセンサーやアナログ回路を併せて搭載する必要があるが、限られた電力やスペースの中でデータ取得、通信、データ処理のシステム全体を最適化するためにはデジタル・アナログ・センサー(DAS)と呼ばれる総合設計技術が必要不可欠となる。

東大VDECでは、半導体集積回路設計について世界をリードする革新的な研究が行われている。また、デジタル回路のみならず、アナログ回路やMEMS回路という電子部品や機械部品をひとまとめにした1000分の1ミリレベルの非常に小さな回路の開発、さらに計測、検証、評価に関しても十分な実績を有している。

一方、産総研エレ製造領域では、センサーおよびAIチップ開発においてさまざまな成果を上げており、また、実際に脳活動計測用センサーや独自FPGA=利用者が機能を書き換えることが可能な半導体集積回路をはじめとする集積回路開発まで行っている。

そこで、産総研と東大は新たな産総研の拠点(AIDL)を東京・本郷の東大情報基盤センター内に設置し、東大の集積回路設計・評価・計測技術と産総研のシステム応用技術を合わせ、高効率なデータ取得と処理を可能とするAI機能付DAS集積システムの設計・検証・計測といった開発環境を構築し、システム開発を推進する。

さらに、構築した集積回路開発環境や、開発したシステムを産業界に橋渡しを行い、わが国のAIチップの開発の加速を目指す。

 

AIDLで行う主な研究

 ◇DAS集積システムの設計

検証・評価手法の研究:アナログ・デジタル要素技術やシステムアーキテクチャー、設計検証手法の研究を行う。

 ◇AI機能を回路に実装するための基盤研究

AI処理に適したアーキテクチャー探索、ならびに医療用、工業用などの画像解析応用技術の開拓などのAI実装技術の研究開発を行う。

 ◇脳活動計測用のAI機能付きDAS集積ステムの開発

ヒトの身体機能、認知機能などを補助する一手法として、電気・光・磁気などによる脳活動計測を行うことや刺激を与えることは有効なアプローチであることが知られている。これらの計測・刺激を行うためのデバイスとして、センサー・アナログ・デジタルLSIウや信号処理基盤技術の創出と、ブレインマシンインターフェースに向けたシステム開発を行う。


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