政府は26日、2017年度版の首都圏白書を閣議決定した。それによると、首都圏の1都7県で、2025年度までに介護人材が14万人程度不足するという見通しを示している。

首都圏では高齢化の進展により、高齢化率が30%を超える地域が拡大傾向にある。それに伴って、介護サービス業の関東圏での有効求人倍率は約4倍(2016年12月)と、全国平均よりも1倍程度高くなっている。これらを理由に白書では、首都圏における介護サービスの労働力不足等の問題が懸念されていると指摘している。

厚生労働省が発表した「2025年度の介護人材の需給推計」によれば、首都圏では804万2000人の需要に対し、供給は663万2000人のみ。人材の不足率は17.5%と全国平均の14.9%を2.6ポイント上回る結果となっている。

白書は介護人材の確保に向けて、介護職員の処遇改善や潜在的な介護人材の呼び戻し、学生や中高年齢者等の新規参入の促進、離職防止・定着促進なども含めた総合的な取り組みが重要だと主張。

さらに、介護ロボットやIT技術を活用することで、介護サービスの生産性向上や現場の負担軽減に注力する必要があるとした。また、経済活動の装置である都市のコンパクト化、密度アップ、公共交通の利便性向上は、訪問介護に要する移動時間の減少などによる介護サービスの生産性の向上にも有効であると指摘。都市のコンパクト化、密度アップに向けては、2016年12月末現在で全国では309都市、首都圏では63都市が立地適正化計画の作成についての具体的な取り組みを行っており、このうち2016年度末までに全国では100都市、首都圏では16都市が計画を策定・公表しているとした。

また、中心市街地への居住促進に併せて介護人材の確保を図る事例として、群馬県高崎市において、福祉サービス施設と住居機能が一体となった多機能型住居を整備したケースを紹介。中心市街地の市有地を活用して民間事業者が10階建ての建物を建設し、1・2階には市営の福祉センター「高崎市シルバーセンター田町」や子育てに関する様々な相談や支援を行う「高崎市子育てなんでもセンター」を、3から6階は民間事業者が運営する特別養護老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を、7から10階は市が管理する住宅「レジデンス田町」を用意した。この住宅部分の入居資格を、市内で介護、保育、看護職として働く人や、これらの分野を学んでいる学生とすることで、地域における福祉人材の確保を目指しているという。

2025年度の介護人材の不足率(白書より引用)