東京・お台場の日本科学未来館で、企画展「MOVE 生きものになれる展―動く図鑑の世界にとびこもう!―」が今秋11月29日から来年4月8日まで開催される。この企画展は、映像DVDとの連動により、それまでの図鑑の常識を覆す『動く図鑑MOVE』(発行:講談社)のコンテンツや世界観をベースとした体験型の展示を通して、生きものの知恵や技術を楽しみながら学び、〝生物多様性〟や〟他者理解〟の学習を目指すもの。

展示会場は、①ワンダー・ジャングル、②ミラクル・サバンナ、③スモール・ガーデン、④サバイバル・オーシャン―の四つのテーマで構成。ダンゴムシが生息する小さな世界から、熱帯雨林、サバンナ、海などさまざまな環境に適応する生きものたちの驚きのワザや不思議いっぱいの生態を学ぶことができる。各ゾーンとも次のとおり生き物に〝なれる体験〟を楽しめるさまざまなアクティビティが用意されている。

 

●ワンダー・ジャングル ~熱帯雨林のユニークな生きものと出会える。水の上を走るバシリスク体験も!~

生命の過密地帯であるジャングルをテーマとしたエリア。沢山の種類の生きものが、各々の強みを活かして暮らしている。ここでは水の上を軽やかに走る爬虫類、バシリスクになって水の上を走る疑似体験が可能。熱帯雨林で発達したユニークな生きものの生態を体感することができる。

●ミラクル・サバンナ ~食物連鎖や競争を勝ちぬく進化を学ぶ。ライオンになって獲物に跳びかかれ!~

身を隠す場の少ない低草木地帯のサバンナをテーマとしたエリア。生きものたちは、獲物を狩り食べることで命をつないでいる。ここでは、ライオンになって獲物の草食動物に見つからないように狩りをする体験を通じて、サバンナで生き延びるための知恵や食物連鎖を感じることができる。

●スモール・ガーデン ~足元の小さな生きものの世界を発見できる。ダンゴムシになって身を守れ!~

普段何気なく目にしている昆虫や花など、足元の世界をテーマにしたエリア。ダンゴムシが身を守る為の丸まりワザを身をもって体験するとともに、小さな生きものが担っている「分解」の役割を中心に、有機物の循環や植物との関わりを学ぶ。無意識に見ていた自分の足元に、新たな世界を発見することができる。

●サバイバル・オーシャン ~海の生存競争の厳しさを実感できる。メガロドンに食べられないよう滑走せよ!~

人からは見えずとも熾烈な生存競争が繰り広げられる海をテーマにしたエリア。食物連鎖の重要性と、絶滅などによって海中世界の序列に変化が訪れるダイナミズムを学ぶ。流氷の滑り台の下で口を大きく開けて待ち構える巨大サメ・メガロドンに食べられないよう滑走するペンギン体験を通じて、食うか食われるかという生存競争の厳しさを実感することができる。

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生きものたちは皆、独自の知恵と工夫で環境に適応している。風変わりな姿や習性もすべて、かれらが生き抜く過程で獲得してきた個性で、アイデアの実践といえる。同展は、実際に生きものに「なってみて」こうしたユニークな生き方がなぜ選ばれてきたかを実感するまったく新しい試み。異なる生きものの視点を獲得する体験を通して、自然界を尊重する気持ちをはぐくみ、生物の多様性を直感的に理解する貴重な機会となる。

科学未来館では、この経験を通して、調和の一角である人間たちがどのように進化し関係を維持していくべきか、思いを馳せるきっかけとなればと来場を呼び掛けている。