2019年4月2日 飼料用サトウキビ「やえのうしえ」を育成 黒穂病抵抗性が極強、耐倒伏性に優れる

農研機構は、黒穂病抵抗性が極強で耐倒伏性に優れる飼料用サトウキビ新品種「やえのうしえ」を育成した。この品種は、製糖用サトウキビ品種「農林8号」を母(種子親)、黒穂病抵抗性が極めて高い国内自生のサトウキビ野生種「西表8」を父(花粉親)とする品種。黒穂病やさび病などの主要病害に強く、収穫時期に倒伏しにくいことが特徴で、機械収穫に要する時間が短縮されることが期待できる。栽培適地は南西諸島全域で、現在沖縄県南城市で栽培が開始されている。

肉用牛の繁殖経営が盛んな南西諸島では、島の畑の面積が限定されることや、台風などの被害を頻繁に受けることが粗飼料確保の上で課題となっている。

農研機構はこれまでの取り組みで、粗飼料増産に向けて、南西諸島で普及している既存飼料作物ローズグラスより生草収量が多い飼料用サトウキビ品種として、種子島などの鹿児島県熊毛地域向けに「KRFo93‐1」、鹿児島県奄美地域と沖縄県向けに「しまのうしえ」を育成し普及を進めてきた。しかし、KRFo93‐1は多回株出し栽培ほ場でのさび病類の発生、「しまのうしえ」は収穫時期が遅れた際の倒伏が課題となっていた。さらに、両品種ともサトウキビの最重要病害である黒穂病への抵抗性を高めることが求められていた。

そこで農研機構は、黒穂病については国内自生のサトウキビ野生種「西表8」の抵抗性が極強であることを見出し、その花粉を貯蔵・利用した交配により抵抗性の導入を成功させるとともに、さび病類やモザイク病への抵抗性と耐倒伏性も付与した飼料用サトウキビ新品種「やえのうしえ」を開発した。

 

「やえのうしえ」の概要と特徴

この品種は、糖含有量が高く多収な製糖用サトウキビの主要品種「農林8号」を種子親、黒穂病抵抗性に極めて優れるサトウキビ野生種「西表8」を花粉親とした種間交雑により作出された。また、国内に自生するサトウキビ野生種を利用して育成された初めての品種である。交配地が石垣島(八重山諸島)であること、花粉親の出身地が西表島(八重山諸島)であることから八重山諸島の「やえ」と、牛のエサ用サトウキビ品種であることから「牛のえさ」を示す「うしえ」をあわせて「やえのうしえ」と命名された。

「やえのうしえ」の黒穂病抵抗性は「KRFo93‐1」や「しまのうしえ」よりも優れる「極強」、さび病やモザイク病に対する抵抗性は「強」を示す。育成地である種子島では「KRFo93‐1」よりも高い生草収量が得られる。沖縄本島では「しまのうしえ」より生草収量が低いものの、既存牧草よりも多収。また、「しまのうしえ」よりも耐倒伏性に優れている。栽培適地は南西諸島全域。耐倒伏性に優れていることから機械収穫に要する時間が短縮されることが期待できる。

栄養価を示すIVDMD(インビトロ乾物分解率)は、育成地では「KRFo93‐1」や「しまのうしえ」と同程度。沖縄でのIVDMDはやや低い値となるが、肉用繁殖牛への給餌では同様に利用することができる。

 

代替品種としての利用に期待

「やえのうしえ」については、沖縄県南城市で2018年7月から栽培が開始されている。今後、種子島などの鹿児島県熊毛地域では「KRFo93‐1」の代替品種として、奄美・沖縄地域では機械収穫を前提とする大規模営農組織を中心に「しまのうしえ」の代替品種としての利用が期待される。また、黒穂病やさび病などの病害抵抗性に優れるため、病害発生が懸念される畑での活用が期待されている。


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