2018年8月8日 量子コンピューティングで拠点形成 東工大と東北大が連携協定を締結、世界を牽引

東京工業大学と東北大学は、量子コンピューティングを中心とした情報科学の基礎と応用の研究において、両大学の強みを活かして組織的な連携を図ることにより、研究拠点を形成するとともに、世界的にリーダーシップを発揮することを目的とした連携協定をこのほど締結した。

量子コンピューティングは、従来の方法では長い計算時間を要する問題をより短い時間で解く可能性を期待されているために、各分野で注目されている。

東工大では、最初に商品化され、すでに多くのユーザに利用されている装置の動作原理である量子アニーリングの概念を1998年に初めて提唱し、その基礎理論研究において20年にわたって世界のトップを走ってきた。

また、東北大では、量子アニーリングに関するソフトウェア科学とその応用研究で世界を先導しており、産業界との広範な連携によって、各種の重要課題の解決を系統的に推進している。

こうした背景のもと、東工大科学技術創成研究院に7月1日に発足した量子コンピューティング研究ユニットと東北大学際研究重点拠点「Q+HPCデータ駆動型科学技術創成拠点」で、研究拠点を形成し、両大学の強みを活かして組織的な連携を行うとともに、企業と協力して「量子アニーリング研究開発コンソーシアム(仮称)」を組織し、実社会の問題の解決を図っていく方針。

科学技術創成研究院量子コンピューティングユニットでは、量子アニーリングの基礎理論からソフトウェア、さらには実社会の問題への応用まで幅広く扱う研究を行い、わが国の拠点としての存在感を確立する。

東北大学際研究重点拠点「Q+HPCデータ駆動型科学技術創成拠点」では、量子アニーリングを用いた組合せ最適化技術の発展と人材育成、ならびに実社会応用という3本の柱を軸とした研究活動を行う。

形成される拠点では、人材の集中及び量子アニーリングマシンの設置など研究開発環境の整備を行う予定。研究面では、量子コンピューティング研究ユニットで行われる量子アニーリングの基礎理論の整備・構築と、「Q+HPCデータ駆動型科学技術創成拠点」で行われるソフトウェア科学及び具体的な問題への応用が展開される。

さらに、量子アニーリング分野では基礎研究と応用研究の距離は近く相補的であることから、応用研究でのさまざまな分野への量子アニーリングの活用は、ノウハウの蓄積のみならず、基礎研究の発展も促し、その基礎研究の発展がさらなる活用分野の拡大につながるという好循環を生みだす。

これにより、わが国が量子アニーリング分野で基礎及び応用においてイニシアチブを獲得することが期待される。それぞれの実績と強みを有する東工大と東北大が密接な連携のもとに共同研究を推進する意義はここにある。

協定に基づく両大学の連携・協力事項は、1)幅広い視野を持って統合的な研究を推進すること、2)研究者の相互交流及び産官学連携の推進に関すること、3)若手研究者の育成に関すること。


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