2018年4月9日 野菜用の高速局所施肥機を開発 高速・高精度な畝立て同時二段局所施肥が可能に

農研機構と上田農機(株)、(株)タイショーは共同で、主にキャベツを対象に、畝立てと同時に肥料を畝内の上層と下層の二段に局所施肥できる野菜用高速局所施肥機を開発した。開発機は、車速に連動して高速・高精度に肥料を繰り出せると同時に、作物の生育に効果的な位置に局所施肥を行うことができる。今後、耐久性など量産化に向けた検討を行い、平成30年度に市販化する予定だ。

 

既存の機種の問題を解決

キャベツの生産地で一般的に普及している、接地輪により施肥ロールの回転を制御する畝立て同時局所施肥機は、土壌条件やほ場の傾斜の影響により、接地輪の回転にムラが生じて施肥量のバラツキが生じやすい。また、作物の初期生育の確保を目的として畝上面に散布される肥料が風雨により流れてしまうなどといった問題を抱えていた。

そこで、農研機構は、「農業機械等緊急開発事業(緊プロ事業)」で、上田農機(株)、(株)タイショーと共同で、傾斜のあるほ場でも車速に連動した精度の高い施肥を行い、キャベツの生育に効果的な局所施肥を畝内二段の位置に行うことで肥料の流出を防ぎ、環境負荷を低減する野菜用の高速局所施肥機を開発した。

 

 開発された高速局所施肥機の特徴

今回開発された高速局所施肥機は、3条用の作業機で、条間45cm仕様と、条間60cm仕様がある。また、本機の利用前にはロータリ耕うんを行う必要がある。

開発機は、GNSSセンサで車速を取得するとともに、傾斜角度センサでほ場の傾斜を計測し、その情報を基に施肥コントローラで肥料繰出用のモータの回転数を制御する。また、リッジャで作溝した溝底へ下層の局所施肥を行い、土を寄せながら上層への局所施肥(約3~8cm、セル苗/地床苗により深さを変更)を行う。条間45cm仕様の畝形状は、天面幅、裾幅、畝高さがそれぞれ約15cm、35cm、13cm、条間60cm仕様では、それぞれ約30cm、50cm、15cmの台形状となる。上層施肥は初期生育用、下層施肥は中・後期用で、上層の施肥量は総施肥量の1割程度。

研究では、平均傾斜角度7度のほ場で作業速度0.7~1,4m/sの範囲で傾斜の上下方向に作業を行った場合に、設定繰出量に対する平均誤差が、上層で0.1~1,6%、下層で0.4~2.8%であり、従来機の平均誤差5%と比較して、高速でも高い精度で肥料の繰出しが行えることが確認されている。

また、条間45cm使用では、慣行機の速度が1.0m/s、開発機の速度が1.4m/sの場合、作業距離が150mの時で作業能率は約2割向上する。

さらに、施肥用のホースに肥料詰まりセンサを設けることで、ホース内の肥料詰まりによる「撒き損じ」を防ぐことができる。

 

平成30年度中に市販化予定

開発機は、高精度に畝内の二段に局所施肥を行うことから、慣行機と比較して施肥量の削減が期待できるが、施肥量の削減を行う場合は、普及指導部局と相談の上で取り組むことが推奨されている。

また、平成30年度の市販化を予定しており、今後はキャベツ以外の葉茎菜類への適用性について検討を行っていくとしている。


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