ダイハツは4月22日、通所介護の共同送迎サービス「ゴイッショ」の提供を正式に開始した。同日実施したメディア向けのオンライン説明会で、担当者がゴイッショの魅力を語った。
「我々は福祉車両なども開発してきたが、こうしたモノづくりだけでなく、福祉・介護現場の皆さんの業務もサポートしていきたい」。ダイハツのコーポレート統括本部の谷本敦彦副統括部長はこう述べた。
ゴイッショは通所介護の業務負担を軽減するサービス。自治体などと契約を結び、複数の事業所の送迎をアウトソーシングの形で取りまとめ、地域一帯で共同化する仕組みだ。ダイハツはサービスの効率的な運営、参加事業所のコスト削減、人手不足への対応などに貢献できると睨む。
大きな特徴の1つが、複雑な送迎ニーズをすり合わせる独自のシステムにある。参加事業所の利用者の乗車負担や希望時間などを考慮し、専用のアルゴリズムを用いて最適な送迎計画を1日ごとに作成。急なキャンセルや遅延などの情報も関係者へ迅速に伝え、運行中も常に最新のステータスが共有されていく。
ダイハツによると、2020年11月から香川県三豊市で行った実証実験では、送迎の車両を通常の約2割、1日の送迎時間を75分短縮する効果が得られたという。22日の説明会に参加した三豊市の社会福祉協議会の滝口直樹事務局長は、「共同送迎に取り組むことは大きな意義がある」と強調した。
ゴイッショを導入する際には、共同送迎の具体化に向けた「調査・検討」や「運行準備」などのプロセスが必要となる。ダイハツは今後、5月26日(木)に自治体向けのオンライン説明会を開催する予定。実際に導入する自治体では、送迎の空き時間を活用した買い物支援、移動支援、宅食、配送など、他のサービスも組み合わせた発展的な取り組みも後押しするという。