国土交通省は、今年1月の軽井沢スキーバス事故を受けて設置された「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」で6月3日に「総合的な対策」が取りまとめられたことを受け、本格的なスキーシーズンを迎える前に、悲惨な事故を二度と起こさないため、貸切バス事業に関する監査基本方針と行政処分基準の改正を行う。改正は、法令違反を早期に是正させ、改まらない場合には、貸切バス事業から退場させる仕組みだ。

主な改正内容をみると、監査関係では、運行中の車両について、街頭監査で違反があり、その場で是正できない場合、「輸送の安全確保命令」が発動され、是正するまでの間、違反した車両が使用できなくなる。また、指摘された違反をもとに、30日以内に事業者に対する監査を行い、法令違反の有無を確認する。

さらに、一般監査で、①運行管理者が全く不在(選任なし)の場合、②整備管理者が全く不在(選任なし)の場合であって、定期点検整備を全く実施していない場合、③全ての運転者が健康診断を受診していない場合、④運転者に対して指導監督及び特別な指導を全く実施していない場合といった緊急を要する重大な法令違反が確認された場合は、「輸送の安全確保命令」が発動され、是正できるまでの間、違反事項と関係する全ての車両が使用できなくなる。それでもなお、是正されない場合は、許可取消となる。

一般監査で、これら以外の違反が確認された場合は、30日以内に是正状況を確認する監査を実施する。

 

 行政処分関係

行政処分関係では、監査(1回目)で指摘した違反(軽重にかかわらず)が、確認監査(2回目)で一部でも改善が確認できない場合、「輸送の安全確保命令」が発動され、命令後に監査(3回目)で改善が確認(30日)できた場合は3日間の事業停止、確認できない場合は許可取消となる。(例:保有車両数5両、処分100日車の場合→4両を25日間停止)

このほか、輸送に係る違反の処分量定を引き上げる。主な項目は、乗務時間等告示違反(運転者の過労運転)(〔現行〕未遵守16件以上 20日車→〔改正〕40日車)、健康診断の未受診【未受診者数】(〔現行〕半数以上 10日車→〔改正〕3名以上 40日車)、適性診断の未受診【受診なし2名以上】(〔現行〕10日車→〔改正〕40日車)、運転者への特別な指導・監督違反(運転者への教育関係)【大部分不適切】(〔現行〕10日車→〔改正〕40日車)、飲酒運転防止に係る指導監督義務違反(アルコール検知器の不適切な使用)((新設)60日車)である。

 

 運行管理者に対する行政処分関係

運行管理者に対する行政処分関係では、繰り返し法令違反を是正しない事業者が許可取消となった場合、勤務する運行管理者全員に対し、資格者証を返納させることとしている。

また、重大事故等に起因する監査の結果、運航の安全確保に係る量定が120日車以上となった場合、違反に関わった運行管理者全員の資格証の返納が命じられる。

さらに、運行管理者が飲酒運転または薬物運転した場合、自家用車の運転でも資格者証を返納させる。