日本科学未来館(略称:未来館、毛利 衛館長)は、常設展3階の二つのコーナー「メディアラボ」と「零壱庵」、5階「フロンティアラボ」に新しく展示をオープンするとともに、地球ディスプレイ「Geo‐Cosmos(ジオ・コスモス)」と1階の大型ディスプレイのコンテンツ更新を行い、6月20日から一般公開する。

3階にオープンするメディアラボ「『生命』になりたい!ブルックスのジュースを探して」と、零壱庵「Life(Ku‐Wall)‐no.6」の展示は、いずれも〝生命とは何か?〟という人類の究極的な問いをテーマとしている。人工知能の発達などにより生命と非生命の境界が不明瞭となるかもしれない未来を前に、生命の存在感や自律性を感じさせるアート作品群を通して、この問いに科学技術とは異なる角度から向き合う。

メディアラボは、定期的な展示更新を行いながら、先端情報技術による表現の可能性を紹介し、新しい世界観を提示するスペース。今回は、今年1月に青森県で開催された「AOMORIトリエンナーレ2017」に出展された研究者の池上高志氏とアーティストの植田工氏によるアート作品をはじめ、 アートに特化したハッカソン「ART HACK Day 2018」(※)の作品の中から審査員や観客に選ばれた優秀な3点の作品を展示。池上氏らの作品は〝生命とは何か?〟という根源的な問いを投げかけ、ART HACKDay 2018の作品群は、その問いに対するそれぞれの思索を表現している。

アート作品を通して、科学技術とともに変わり続ける人の認識や社会について考えるギャラリーである零壱庵では、デジタル数字のカウント表現方法を用い、〝生〟と〝死〟というテーマに30年以上向き合ってきた現代美術科・宮島達男氏の作品を展示する。

このほか、5階「フロンティアラボ」では、巨大な電波望遠鏡アルマが解明しつつある宇宙の謎を取り上げる。宇宙や地球深部など、フロンティアへ挑戦し続ける研究者の活動を紹介するエリアで、今回は『深宇宙に挑む』のコーナーでアルマ望遠鏡を取り上げる。

アルマ望遠鏡は、南米・チリのアタカマ砂漠、標高約5000メートルの高地に、日米欧が中心となり建設した電波望遠鏡。2013年に本格的な運用が始まってから多数の成果を出している同望遠鏡だが、これまで多くの困難を乗り越え、また、困難克服のため、わが国の精巧なものづくりの技術が大きく貢献してきた。

さらに、Geo‐Cosmosでは、ここ数年の二酸化炭素濃度の推移や大気汚染物質の動きのシミュレーションを地球規模で表現。1階の大型ディスプレイでは、都心部にフォーカスし、熱環境を高解像度の先駆的な映像で可視化する。

 

 一昨年には15周年で常設展リニューアル

未来館では2016年に開館15周年を記念し、大規模な常設展をリニューアル。その後も、日々進展の著しい科学技術分野の動向を常に注視し、部分的な展示の更新を続けている。

今回の一部リニューアルでは、科学技術の発展を一因として変化する生命観や地球環境、そして科学技術の発展に伴い見えてきた新しい宇宙を、多面的な手法を用いた展示で紹介する。

※ ART HACK Day 2018:アーティスト、研究者、エンジニアらが一堂に会し、4日間でアート作品をつくるイベント。4回目を迎えた今年のテーマは「BEING THERE(現れる存在)」。今年2月から3月にかけて、約60名の参加者が12チームに分かれ、生命の存在感や自律性を感じさせる作品を制作した。