2018年10月4日 汚染個所を遠隔検知 原子力機構、可視化技術を開発

福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めるに当たって、原子炉建屋内に飛散した放射性物質の分布を正確に把握し、作業員の被ばく線量低減や除染計画の立案を行うことが重要だが、建屋内の高い線量率や現場に散乱した汚染ガレキや機器が障害となり、建屋内の把握は技術的に難易度が高い課題となっている。

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、小型軽量化に成功した小型軽量カメラをロボットに搭載し、遠隔で建屋内のホットスポットの検知に成功したことを明らかにした。

さらに、遠隔で取得した建屋内の情報を、作業環境の写真と組み合わせて仮想空間上で統合し、肉眼では見えない汚染状況を見えるように加工した仮想空間(VR)の構築にも成功した。

建屋内に人間が立ち入らなくても、遠隔で汚染状況を把握し、仮想現実技術を用い、作業員の被ばく量を最小にする作業プロセスの詳細な検討や事前訓練などが可能となる可能性が拓かれたという。

原子力機構は、円滑な廃炉作業に向けて、建屋内の汚染分布を遠隔で測定し、高線量率箇所を特定することにより、効率的な除染や効果的な遮へいに反映する研究開発を進めている。

 

  3次元モデルVRも構築

原子力機構では、事故により原子炉建屋内に飛散した放射性物質の分布を可視化するため、小型軽量カメラの開発を進めてきた。また、仮想空間上に作業現場の3次元モデルを再構築し、ここにホットスポットを描画することによって作業現場の汚染分布マップを作成した。汚染分布マップはVR(仮想現実)システムへ適用可能で、ホットスポットの実際の位置を3次元的に把握可能となる。この手法を用いることで、実際の作業現場におけるホットスポットの位置を容易に把握することができるため、作業員の被ばく線量の低減や、除染計画の立案に役立つことが期待される。

飛散した放射性物質の汚染分布を測定する技術として、放射性物質の分布を可視化できるガンマカメラという放射線測定器が有望視されている。しかし、従来のガンマカメラは重いため、高線量率で狭隘な場所が少なくない廃炉現場での測定が容易ではなかった。

 

  ホットスポットの状況を提示

原子力機構では、早稲田大と浜松ホトニクス(株)が開発したカメラをベースに小型ロボットにも搭載可能な約680グラムまで小型軽量化した小型軽量カメラを開発するとともに、従来のカメラでは測定が困難な比較的線量率が高い場所で、リアルタイムで汚染分布を表示できるシステムを構築した。

今回、技術をさらに発展させ、ロボットに小型軽量カメラを搭載して原子炉建屋内部での高線量率箇所の探索を遠隔操作で行った。さらに、デジタルカメラで取得した複数枚の写真から構築した作業現場の3次元モデルと、小型軽量カメラによる放射線画像を融合することにより、ホットスポットの高線量率箇所の位置や拡がりをより理解しやすい形で作業員に提供できる技術を開発した。小型軽量カメラで測定された放射線分布と、デジタルカメラで取得した実画像を重ね合わせることによって、原子炉建屋内における汚染分布を可視化することができる。

さらに、作成した3次元モデルは、既存のVRシステムを用いて表示することが可能。市販のVRゴーグルを用いることによって、作業現場の様子や高線量率箇所の存在を体感することができる。VR技術への応用は、作業員による作業環境の事前確認、危険予知活動に役立つものと期待される。


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