2018年2月19日 映画を残す、映画を活かす東近美フィルムセンター、今春から新組織に 『国立映画アーカイブ』国立美術館6機関目

独立行政法人国立美術館は、現在同独法内の東京国立近代美術館の一組織として設置されている「フィルムセンター」を、今春同美術館から独立させ、『独立行政法人国立美術館国立映画アーカイブ』と新たな位置づけとして設置することを、2月6日に発表した。ミッションは〝映画を残す、映画を活かす。〟。独法国立美術館としては6機関目となる。フィルムセンターは、これまでの映画の収集・保存・公開・活用という役割を担ってきたが、他の5機関と同格の機関として改組し、わが国の映画文化振興のためのナショナルセンターとして、一層の機能強化を図ることとなる。

今年4月から東京・京橋のフィルムセンターの事業を引き継ぐこととなる新組織の英語名称は『National Film Archive of Japan(略称NFAJ)』。初代館長は現在フィルムセンター特定研究員を務め、平成21年から23年には国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)会長を務めるなど、映画史や映画保存に造詣が深い岡島尚志氏が就任する予定。

東近美から独立する『国立映画アーカイブ』

 

アドバイザーに山田監督や松坂慶子氏ら

国立映画アーカイブのロゴ。
作者はブックデザイナー・グラフィックデザイナーの鈴木一誌氏

新スタートにあたり、広く外部から助言を得る体制を整えることとしており、映画監督の山田洋次氏や俳優の松坂慶子氏など映画監督や俳優、大学教授、企業関係者など外部有識者8氏をアドバイザーとして招く。産官学関係者やアドバイザーによる機能強化会議(仮称)を設置し、広い視点から映画振興のあり方を探る。

また、ナショナルセンターとしての機能を強化する方針で、①映画を保存・公開する拠点、②映画の文化・芸術振興拠点、③映画による国際交流拠点―の3本を核に、収集・保存・公開・活用の一本化を図る。上映・展示、地域連携、新進的映画への支援や若手クリエーター等支援などに従来以上に取り組む方針で、地域連携では館外展示や巡回上映などを行うこととしている。

さらに、国際交流拠点としての役割を果たすため、FIAFとの連携・協力を強化するとともに、多様な観客に日本映画の鑑賞機会を提供する方針だ。

 

民間資金獲得も取り組むべき施策

新組織は民間資金のさらなる活用も取り組むべき施策としてあげており、その一環として、現在の大ホールを『長瀬記念ホール OZU』と改称する。OZUは小津安二郎監督に由来するものだが、大口の寄附団体である長瀬映像文化財団の名を冠することで、民間資金に対する意思を打ち出している。


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