2020年6月19日 室温28度でも湿度ダウンで「快適」 理研とダイキンが実証、40%以下で疲労回復

理化学研究所とダイキン工業(株)が行っている快適で健康な空間づくりに向けた共同研究で、「室温28度でも、湿度を下げれば疲労軽減に有効である」ことが実証された。湿度55%以下で快適性が向上し、40%以下なら疲労も軽減できるという。省エネ対応などでオフィスの温度調整が十分にできないオフィスでも、湿度をコントロールすることで、快適に過ごせることが明らかとなった。ただし湿度調整ができない場合は、室温26度まで下げることが必要。

 

省エネで上昇、オフィスの温度

この研究実証を行ったのは、理研とダイキン工業(株)の連携組織である「理研BDR‐ダイキン工業連携センター」。2017年から取り組んでいる快適で健康な空間づくりに向けた共同研究で、夏のオフィス環境での快適性や疲労の改善に有効な温度・湿度を検証した。

昨今、省エネの観点からオフィス空調の設定温度を高めにすることが推奨される一方で、多くの人が蒸し暑さを感じ、作業効率の低下や疲労の蓄積を感じているといわれている。温度・湿度が人に与える影響については、これまで行われてきた検証の多くが「快適性」といった心理的な評価によるものだった。

そこで今回の試験では、ヒトの〝疲労〟への影響に着目した。心理的評価に加え、心拍変動から推定される自律神経活動などの生理的評価も分析し、複合的な側面から検証。その結果、室温28度でも湿度を55%以下に保てば快適性が向上し、さらに40%以下であれば疲労も軽減できることが実証された。

 

疲労感を生理的指標で評価

今回の実証試験では、空調が保たれた室内で一定時間過ごすことを想定。固定した温湿度環境下での快適性、疲労感、自立神経活動を評価した。疲労の評価はヒトの主観に基づく心理的な評価指標と、課題成績や心拍変動解析を用いた自律神経活動等の生理的な指標を用いた。

パソコン操作など集中力を要する作業を与え、温湿度環境が及ぼすヒトへの心理・生理的な影響を検証。試験はダイキン工業の空調制御技術により精緻に統制された温湿度環境内で、夏季の一般的なオフィスの環境を想定し、室温24度から30度、湿度40%から70%の範囲で実施した。

試験環境として温度4条件(24度、26度、28度、30度)と湿度3条件(40%、55%、70%)を組み合わせた計12条件の温湿度環境を設定。健康な成人男女各57名に疲労負荷かける認知課題を与えて、10分ごとに疲労感や快適性等に関する心理的な評価を行ってもらった。試験中は携帯型の心電計を装着することで、疲労に伴う心拍変動を常時記録した。また、自律神経支配を受ける心拍間隔の周波数解析を行うことで、疲労に伴う自律神経バランス状態を推測した。

 

湿度調整できない場合は「26度」に

試験の結果、夏季に想定される環境では、室温が上がると心拍数や自律神経活動など体温調節機能に関わる生理的な負荷が高まることが明らかとなった。一方、同じ温度であっても、湿度を下げることにより、心身の負担を軽減できる可能性が示された。

特に28度や30度などの暑さを感じやすい環境では、湿度を下げることで体感温度が低下することを確認し、それに伴い不快感や疲労が軽減されることがわかった。

センターでは、これらの結果から、湿度調整機能の付いたエアコンや換気設備、除湿器を上手に活用することで、夏のオフィスをより一層、快適・健康な空間にすることが期待できるとの見方を示している。また、湿度コントロールが難しい環境では、室温を26度まで下げることで、快適性の向上や疲労の軽減といった効果が見込まれるという。


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