国土交通省は28日、国土交通分野の関係者と情報・戦略を共有し、官民一体となった取組を進めるため、石井啓一国土交通大臣を本部長とする「国際政策推進本部」を開催し、「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2018」を決定した。この計画では、今通常国会に提出されている「海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案」等を踏まえ、国交省として、5つの戦略(「チームジャパンの確立」「競争力の強化」「増加するPPP案件への対応」「相手国への貢献を通じた受注機会の拡大」「受注企業への継続的サポート」)を立て、インフラシステムの輸出に取り組んでいく。

5つの戦略のうち「チームジャパンの確立」では、独法等の公的機関としての中立性・交渉力、国内業務を通じて蓄積された知見を活用して、8分野(高速鉄道、水資源、都市開発、住宅、下水道、空港、道路、港湾)の15の独法等に所要の海外業務を行わせることにより、企業の海外展開を強力に後押しする方針だ。

「競争力の強化」では、高い技術力等の我が国の「質の高いインフラ」の強みを相手国のニーズに対応してカスタマイズして提案すること、政府・関係機関との連携によるファイナンス提案、海外生産拠点の活用等によるコスト縮減等による価格競争力の向上などに取り組むこととした。

「増加するPPP案件への対応」では、「PPPになじむ部分」「公共で対応すべき部分」を考慮した適切な事業スキーム構築の相手国政策決定権者に対する働きかけ、相手国政策担当者に対するPPP人材育成・キャパシティビルディングのための研修拡大などを行う。

「相手国への貢献を通じた受注機会の拡大」では、新興国の国土計画・地域開発計画、都市開発・都市交通マスタープラン等の上流計画の策定に積極的に貢献するほか、相手国の人材育成を通じて我が国の知見・ノウハウを幅広く移転、パートナーとして相手国に伴走する。さらに、日本の「質の高いインフラ」は、低廉なライフサイクルコスト、人材育成・制度構築支援、安全や環境への効果等を通じて投下した資源以上の価値をもたらすというコンセプトとして効果的にPRする。

「受注後の継続的な支援」では、関係省庁とも連携して、受注後も継続的に日本企業をサポートしていく姿勢を明確にすることで、我が国企業の海外展開の不安を低減する。

計画ではまた、各プロジェクトの進捗状況を踏まえ、今後注視するプロジェクトとして83件を選定。本邦企業の受注へ、トップセールスやハード・ソフトの両面での支援等の取組方針を決定した。

昨年度の行動計画2017の76プロジェクトから17件を削除(うち12件は本邦企業が受注、2件は外国企業が受注、3件は入札時期の遅れ等)、60件は引き続き取組みを継続し、新たに24件を追加した。

地域・国別では、アジアが56件と最多であり、強豪国との競争が熾烈化しており、アフリカ、欧米等でも重要プロジェクトが動いている。

さらに、新たに分野別の取組について章を設けており、鉄道、港湾、空港、都市開発・不動産開発、建設産業の各分野別に、市場の動向や我が国の強み・弱みを整理し、今後の海外展開と具体的な取組等について記載している。