国内の医師約10万人以上が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」はこのたび、医師の勤務時間に関する調査結果を発表した。それによると、半数以上の医師が自身の勤務時間を管理していないと答えていた。

政府は3月28日、繁忙月の残業時間を例外として「100時間未満」まで認めることなどを盛り込んだ「働き方改革の実行計画」をまとめた。違反した場合、企業や担当者に対する罰則が規定されているのが特徴だ。医師については、業務の特殊性から、時間外労働の規制の対象となるものの、2019年度の開始から5年間の猶予が設けられている。

調査は、インターネットを通じて1月27日から2月2日にかけて実施。サイトに登録している4739人から有効な回答を得た。このうち、勤務医は4059人、開業医は680人だった。

勤務医に「勤務時間を管理しているか」と尋ねたところ、54.1%にあたる2197人が勤務先に「管理されていない」と回答した。開業医では、51.0%にあたる347人が「管理していない」と答えており、勤務医・開業医ともに半数以上が勤務時間を管理していないことがわかった。

 

■ タイムカードの導入はなし

勤務医のコメントをみると、残業時間は自己申告制でタイムカードが導入されていないケースや、医師以外の勤務時間は管理されているケースが多かった。具体的には、「勤務先の公立病院でもタイムカードはなく、出勤時に押印のみの出勤簿になっています。残業時間は自己申告制です(時間外手当あり)。今まで勤務した病院で医師用タイムカードのある病院は、1カ所のみです」(40代、心療内科)や、「医師のみタイムカードはなく、勤務時間は管理されていません。他職種はタイムカードで管理されていますが」(60代、一般内科)といった声が寄せられた。さらに、「自己申告制で、1ヵ月の超勤が80時間もしくは3カ月の合計が200時間を超えると強制的に休暇を取らされます。しかし、休暇を取るとなると業務に支障をきたすため、実際はそれらを超えないように、申告時間を自分たちで調整せざるを得ない状況です」(40代、循環器外科)や「管理してくれればいいですが、ゲリラ的に勤務が発生する勤務医の勤務時間を管理することは難しいと思います」(30代、一般内科)など、医師の労働環境的に残業時間の把握が難しいとの指摘も浮上。実際、「管理されている」と答えた医師の中からも、タイムカードが導入されたが「それは院内滞在時間であって、超過勤務とは別です。院内で講演(学会)スライドを作成したり、臨床試験業務を行ったりしていても超過勤務とは認められません」(40代、消化器外科)など実態として残業時間は正確に管理されていないという声も多かった。

 

■ 患者の急変などで時間管理は困難

一方、開業医をみると、院長である自身は管理していないものの、スタッフはタイムカードなどで管理しているという意見が多かった。患者の都合で診療時間に変動があったり、電話再診などの時間外診療、在宅(訪問)診療もあったりするために、時間を管理するのは難しいという意見もあった。