2018年7月30日 再生医療技術の産業化促進 阪大に日立プラントサービスが研究所設立

大阪大学と株式会社日立プラントサービスは、今年6月1日に大学院工学研究科内に「日立プラントサービス再生医療協働研究所」を共同で設立し、開所式をこのほど執り行った。同研究所では、再生医療技術の産業化促進に向けてクオリティの高い再生医療技術の事業プラットフォームを構築することを目的に、「モノづくり」、「ルールづくり」、「ヒトづくり」の実践の場として、細胞の製造や搬送を含めたサプライチェーン全般にわたる無菌保証や運用方法に関する研究を行っていく。

再生医療は、根本医療や他に治療法のない疾患の新たな治療法として期待されており、細胞加工物などの研究とともに法整備が進み、産業化に向けての環境が整いつつある。産業化を進めるためには、細胞加工物の製造における個々の技術のみならず、原材料入荷から製造、検査、出荷、搬送までのサプライチェーンを支える事業基盤が必要になる。

また、医薬品とは異なり、生きた細胞を取り扱うことからろ過による無菌化ができないという細胞製品特有のリスクが存在するため、これらのリスクに対処する方法をサプライチェーン全体で確立していくことが課題となっている。

阪大大学院工学研究科では、これまで細胞・組織製品の製造に係わる技術の構築に関する研究を行うとともに、細胞治療や再生医療などの細胞製造業をはじめとした新たな産業分野に対して、「モノづくり」「ルールづくり」「ヒトづくり」からなる「コトづくり」を実践し、産・官・学の三位一体で産業化を推進している。

一方、日立プラントサービスでは、長年にわたって豊富な実績があるクリーンルームで培った経験・ノウハウを生かして、再生医療の研究開発や製造を行う細胞培養加工施設の設計・建設やバリデーションを数多く手がけており、細胞の製造に必要な機器やITシステムも納入している。サプライチェーンの関連企業とともに、事業プラットフォームの構築に向けて取り組み始めている。

再生医療協働研究所では、病院などにおいて患者から細胞を採取してから患者に移植するまでの間における細胞加工施設への搬送、同施設での入荷・検査・製造・出荷、さらには病院への搬送までのサプライチェーン全般において、全工程を通じて継続的に無菌を維持できる技術や、生きた細胞である製品の品質を低下させない技術に関する研究を行う。

具体的には、阪大が有する無菌操作法と日立プラントサービスが有する細胞加工施設のエンジニアリング力という両者の技術・ノウハウを生かし、製造施設・設備・装置や資材などの無菌維持や、サプライチェーン全般にわたる品質維持、これらの品質を担保するためのモニタリングや試験検査などのコアとなる技術を構築する「モノづくり」の研究を行う。

また、科学的データに基づいて客観的かつ合理的に検証・評価し、国・行政の規制政策への提言につなげる「ルールづくり」や、再生医療技術の産業化を推進する上で不可欠な人材育成を行う「ヒトづくり」にも取り組んでいく。さらに、阪大大学院医学系研究科と連携を強化し、臨床及び治療現場における実践的な問題点と課題の抽出を行い、研究を促進する。

これらの取組によって、細胞の品質確保と経済性の両立を図る最適な再生医療のプラットフォームを確立し、多くの企業群による安全性と高品質を担保した高効能な細胞加工物の製造と流通を実現し、再生医療技術の早期産業化と普及に貢献していく。


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