2019年7月17日 介護事業者の倒産、上半期で過去最多 ヘルパー不足で訪問介護が急増

東京商工リサーチは4日、介護サービス事業者の倒産の状況をまとめた最新のレポートを公表した。

今年の1月から6月までで55件。上半期としては過去最多を更新した。これまで最も多かった昨年(45件)より10件多い高水準。倒産はこの数年で大幅に増えたが、今年は更なるハイペースで推移している。

倒産した事業者をサービス別にみると、訪問介護が前年の18件から32件へ急激に増えていた。このほか、通所介護や有料老人ホームなどが目立つ。慢性的な人手不足、とりわけ深刻なヘルパー不足が最大の要因とみられる。

倒産したのは主として規模が小さいところだ。55事業者のうち、資本金1000万円未満が87.2%、負債1億円未満が80.0%、従業員10名未満が80.0%だった。全体の92.7%が消滅型の破産を申請している。

東京商工リサーチは、「経営環境は一層厳しくなっている。ヘルパーなどの人手不足や高齢化に加え、大手・中堅事業者との競合で資金力の乏しい小・零細事業者の脱落が増えている」と分析している。

 

■「わかっているのは氷山の一角」

淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「倒産に至る前に廃業したり売却したりするところも少なくない。これは氷山の一角。経営を続けていけなくなった事業者はさらに多い」と指摘。訪問介護の倒産が特に増えたことについて、「在宅介護を支えているのはヘルパー。訪問介護が脆弱になれば、介護難民がさらに増加してしまう。国は人材の確保に向けて、スーパーや飲食店といった競合他産業でも賃金が上がっていることを踏まえつつ、更なる処遇改善を図るべきだ」としている。


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