2018年11月2日 不妊カップルへの卵子提供、3割以上が肯定的 東大病院講師らがwebアンケート、議論活発化が必要

不妊症を持つカップルに卵子や精子を提供することについて、36.2%が肯定的であることが東京大学医学部附属病院女性外科の平田哲也講師と大須賀穣教授らが行ったWebアンケートで明らかとなった。否定的な意見を持つ人は26.6%で、3割以上が「わからない」と答えるなど、簡単には意見を表明することが難しい案件だが、平田講師らは社会的合意を得るためには、議論を活発化させる必要があると指摘。研究成果が「第三者を介する生殖補助医療」に関する課題に向き合う早期の法整備やルール作りにつながることを期待している。

不妊症はカップルの1~2割にみられるといわれている。晩婚化に伴って直面する夫婦は増加。生殖補助医療が進み、日本でも出生児20人に1人(2015年)が体外受精で生まれている。テクノロジーの進歩で、難治性の不妊症に対して、妻以外の第三者の卵子、子宮で妊娠をすることが可能となったが、倫理的な問題も出てきた。現在国内では、このような第三者を介する生殖補助医療に関しては、学会の自主規制により行われており、法的な規制や公的ルールは存在しない。また、現在このような治療を日本で行うことは事実上困難となっていることから、海外に渡航をして治療を行う患者も少なくない。

そこで、第三者を介する生殖医療を国内で行うことや、仮に行うこととした場合には、適切に実施するにはどのような形で進めるべきかということに関する社会的合意形成が必要と考え、生殖補助医療に対する国内の意識調査を実施。Webを通じて20歳~59歳の男女2500人から回答を得た。

精子提供、卵子提供、胚提供に対しては、男女ともに50代で「認めるべきでない」と答えた人が多くみられた。男女ともに、不妊経験のない群に比較して、経験のある群で「認めるべき」と答えた人が多く存在した。

妻が子宮を先天的に持たない、もしくは病気で摘出後の場合に、夫の精子と妻の卵子を受精させて得られた受精卵を、妻以外の第三者の子宮に移植する。遺伝子としては、夫婦の遺伝子を受け継ぐが、法律上では、出産した第三者が母となる「代理懐胎」についても聞いた。40.9%が社会的に「認めるべき」と考え、21.8%が「認めるべきでない」とした。また、男女ともに、不妊の経験のある群では、不妊経験のない群に比較し、社会的に「認めるべき」と考える人の比率が有意に高い結果となった。

回答者自身が、他の方法で妊娠しないような不妊であったと仮定し、それぞれの第三者を介する生殖補助医療を行うことを選択するかどうかについて質問した。いずれの方法も、「配偶者が希望すれば行いたい」と答えた人は男性に多く、高齢になるにつれて少なくなった。例えば卵子提供については、20代男性の38.1%、50代女性の11.2%が、代理懐胎については、20代男性の41.7%、50代女性の12.8%が「配偶者が希望すれば行いたい」と答えた。

「出自を知る権利について、生まれてくる児に認めるべきかどうか」という質問では、46.3%が認めるべきと考え、認めるべきではないは20.4%となった。50代では特に「認めるべきでない」と答える人が多くいた。また、男女ともに、不妊経験のある群は不妊経験のない群に比較して、「認めるべきでない」と答えた人が多く存在した。

また、ほとんどすべての質問で、30~40%強の人が、「わからない」と答えた。


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