2019年10月4日 スマートフォン版ため池防災支援システム ため池災害情報の迅速な情報共有が可能に

農研機構らは、昨年9月に発表した「ため池防災支援システム」のユーザーインターフェースを一新した「スマートフォン版ため池防災支援システム」を開発した。

「ため池防災支援システム」は、地震、豪雨時にため池の決壊危険度を予測するとともに、実際の被害状況を全国の防災関係者間で情報共有するための災害情報システム。

このシステムについては、2018年度から実施された試験稼働により、全国のユーザーからアンケートが収集された。それを基に、新たな機能追加やユーザーインターフェースの抜本的な改良が行われ、今回、自治体職員が使いやすい新しいため池防災支援システムが開発された。

新システムは、スマートフォンやタブレットでの閲覧・入力に最適化されたWebブラウザシステム。災害発生時には、各ため池の決壊危険度や点検優先順位の参考情報を、現地や周辺で閲覧しながら、把握した被害状況や緊急点検の結果を報告することができる。このため、現場で視覚的に使いやすいインターフェースとなっている。

また、インターフェースの改良だけではなく、災害時の緊急復旧の参考となるように災害時の情報を保存しておいて後から閲覧できる、予測情報をメール配信する、ため池に設置される観測機器のデータが取り込めるなどの機能が追加されている。

現在、全国の都道府県や市町村にユーザーIDが配布されており、試験的な運用が行われている

 

全国のユーザーの意見を踏まえて抜本的な改良を実施

「ため池防災支援システム」は、2018年度から試験稼働が実施されていたが、情報閲覧をPCで行い、現地での災害報告のみをスマートフォンで行う仕様だった。このため、現地で危険度情報をスマートフォンで閲覧しながら、同時に災害報告を行いたいとの要望が多く寄せられていた。

また、リアルタイム予測のみのシステムであったため、夜間に発生した災害の情報を翌朝閲覧することができないという問題があった。

このため、全国のユーザーからアンケートを収集し、新たな機能追加やユーザーインターフェースの抜本的な改良を行うことによって、自治体職員が使いやすい新しいシステム「スマートフォン版ため池防災支援システム」が開発された。

 

スマートフォン版ため池防災 支援システムの特長

〔1.スマートフォン版のインターフェース〕

新システムは、スマートフォンやタブレットでの閲覧・入力に最適化されたWebブラウザのシステム。各ため池の決壊危険度や登録されている個々のため池の情報を閲覧しながらため池の現地で緊急点検報告を行うことができる。

〔2.新しくなった緊急点検の報告システム〕

新システムの緊急点検報告システムは、堤体の損傷などの被害状況や現地で撮影した被害写真を全国で閲覧して情報共有し、多機関で連携して災害対応を行うことができる掲示板機能やチャット機能がある。

また、ナビ機能を有しており、遠方からの災害支援者のため池現地へのアクセスに活用することができる。

さらに、スマートフォン版だけでなくPC版のシステムも含めて、氾濫想定図、土砂災害危険区域、避難所等とため池名称を同時に表示することや、危険ため池のリストを表示することができるようになった。PC版ではリストのCSVファイル取り込みや地図画面の印刷も可能になった。

〔3.災害対応や復旧のための過去の予測情報の閲覧〕

旧システムは現在時刻から6時間後までの決壊危険度を予測、表示していたのに対し、新システムでは、現在時刻から15時間後までの予測表示が可能になった。深夜や明け方に豪雨が予想される場合でも、この予測を用いて夕方明るいうちに緊急対策を行うことができる。

また、未来の予測だけでなく、現在時刻から一週間前までの過去の情報も閲覧することができ、夜間に発生した災害に対して翌朝に情報を閲覧して緊急対応ができる。

決壊等の大きな被害が発生した災害については、半年から1年の間、災害時の情報を閲覧することができ、この情報を災害復旧に活用することができる。

〔4.メール配信機能〕

システムにメールアドレスが登録されたユーザーに、地震時、豪雨時におけるため池の決壊危険度情報を自動的にメール配信することができる。

〔5.ため池の観測機器の接続〕

ため池に貯水位や雨量のセンサーを設置してデータを自動的にシステムに取り込むことにより、精度の高い貯水位予測や危険度判定を行うことができる。

〔6.解析機能の利用〕

新システムでは、タブレットやパソコン上で、簡易氾濫解析機能、豪雨時の安全性診断、地震時の簡易耐震診断機能などの解析機能を簡便に行うことができる。

 

現在試験運用中、本格稼働は来年度

2019年度は、関係者の協力を得て試験運用を行い、このシステムにため池のデータベースを登録する予定。さらに、決壊危険度の予測精度の向上やため池に設置される水位計等の観測機器を接続してセンサーネットワークを構築する研究開発を行うこととしている。

また、このシステムは現在試験運用中であり、本格稼働は来年度の予定となっている。


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