2022年3月17日 コロナで健康観が悪化 東大特別教授らが調査分析 飲食業の収入減少

東京大学の石田 浩特別教授らの研究グループが行った「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」分析によると、①コロナ禍で人々の主観的な健康観が悪化していることが明らかとなった。②生活満足感がある程度高い水準で一定のまま推移している一方で、日本社会への希望は低水準ながら変動しつつ推移。さらに、③飲食業や製造業では勤務日数・労働時間・収入が減少している―といった現状が、あらためて浮き彫りとなった。

石田特別教授らは、人々の健康状態について国内の新型コロナウイルス感染症の拡大が起きる前の2019年初旬から2020年初旬の変化と、コロナ禍以後の2020年初旬から2021年初旬にかけての変化を比較した。

メンタルヘルスと健康による活動制限については、悪化した人々の比率が特にコロナ禍以後に上昇したわけではなかったが、主観的な健康観については悪くなっていると考えている人の比率が有意に増えている。女性と低学歴者で主観的健康が悪化している傾向がみられた。

また、日本社会への希望の変化について、生活満足感と比較しながら2021年までの推移を検討。生活満足感がある程度高い水準で一定のまま推移しているのに対し、日本社会への希望は低水準ながら時期により変動しつつ推移している。特に、2019年から2021年にかけ、他の時期と比べて希望の水準が大きく低下している。研究グループでは、直接検証できているわけではなく解釈には留意が必要としたうえで、コロナ禍で長期化する生活不安は社会に対する希望の低下の背景である可能性があるとの見解を示している。

さらに、個人内で変化する側面に着目して社会への希望の変化と関連する要因も探った。雇用形態や世帯年収などの経済的側面の変化とは関連がない一方、友人や親との関係に対する満足感やメンタルヘルス、健康状態の変化とは関連があり、これらの質の改善に伴い希望の水準も上昇していることが明らかとなった。

研究グループでは、新型コロナウイルス感染症による人々の雇用・収入面への影響についても分析した。雇用や収入に関する影響について、男性では約4割、女性では約5割が「いずれも当てはまらない」を選択しており、コロナ禍以前と変化していない人々も少なくない。

しかし、影響があった人々の中で最も選択されているのは男女ともに「収入が減った」であり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが人々の生活に深刻な影響を与えている様子もうかがえる。

また、医療従事者や介護・福祉職に従事する人は勤務日数や労働時間が増加し、それにともない収入も増加していたのに対し、飲食業や製造業では勤務日数、労働時間、収入が減少しやすい傾向が確認された。勤務形態の変更や通勤方法の変更は、正規雇用者や事務職で起こりやすく、在宅勤務が認められている割合には正規雇用者と非正規雇用者の間で20ポイントの差があることも明らかになった。

「誰が家族介護をしているのか、また家族介護は就業や健康にどのような影響を与えるのか」についても調査した。2021年は、壮年調査世代女性で約16%、壮年調査世代男性で約4.8%、若年調査世代女性で約5.4%、若年調査世代男性で約3.3%が家族介護をしている。

この家族介護者の割合は2020年に比べてやや低下しており、コロナ禍で家族介護ができない状況も考えられる。家族介護が就業に与える影響については、女性のみが影響を受けている。具体的には、家族介護をすると就業確率が平均で5%低くなり、労働時間(月)が平均で5時間短くなる。さらに、家族介護は女性のみメンタルヘルスを悪化させる傾向がみられた。


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